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[コメント] 囚われの女(1968/仏=伊)

人形の服を脱がし眺める男。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







監督得意の犯罪モノではなかった。オープニングのアブなさでついつい目を奪われてしまい期待が高まっていった。

見所は2つ。江戸川乱歩的な変愛世界の展開(特に前半)と美術的な面だ。前半部の写真撮影部分は当時としては衝撃的なものだったのではないだろうか。エロティック且つ特異なシーンである。2人の会話だけに注目しても面白さは伝わってくる。ただ展開と共に理由説明的にスタンの異常性が緩和され、観客としてはやや残念。ってもっと異常なことを期待していたのか俺!

それと映像面は矢張り素晴らしいと思う。構図的側面も、何か思わせぶりな撮影方法も(序盤の電車のシーンなど)相当なレベルではないだろうか。ラストの夢(幻覚)をイメージした映像の乱舞は眩いばかりの印象だ。充分奇を衒っているが破綻せず巧く統一されている。この監督、最初はサスペンスばかり作っていて映像的には美的技術はそれほどでもなかったが、ピカソの映画に携わったことで美に目覚めたみたい。

(評価:★4)

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