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[コメント] 鉄道員(1956/伊)

家族がサンドリーノの前で見せる姿が、真実。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







★4.5

この子役には正直ヤラレタ。「パパ」「パパ」。滅法可愛い。家族皆がサンドリーノを愛しているのだな。サンドリーノへの深い、愛。ずっと強く感じていたことだ。姉は会うたびにぎゅ〜っと抱擁を与えるし、親父もこの末息子の前でだけは最高の自分を見せようとする(サンドリーノが来ると態度を変化させる)。ここが物凄〜〜く鉄道員親父の良い所だと思った。これが仮に末息子に対しても大人気(おとなげ)ない態度しか取れないようだとホンモノのダメ人間ダメ親父にしかならないのだけれど。

貧しくぼろぼろの家庭で酷い展開であったが、最初から一貫して家族がサンドリーノの前でだけ見せる愛(それがこの家族の真実の姿だといいたいのだろう)を充分目の当たりにしていたので、酷い結末になるとはハナから思っていなかった。クリスマスの夜に家族が和解し再開するシークエンスなど頭では理想主義的過ぎる、などと感じてはいても心が素直に感動していた自分がいる。この家族が幸せになって何処が悪いのだ!

そしてサンドリーノ、お前がいたから家族が再開できたのかもしれないぞ。お前は家族にとって天使なのだから。もしお前がいなかったら家族は「誰かを大切に思い、大切に接する」方法を忘れていたかもしれないのだぞ。「サンドリーノよ、これから現実に飛び込まなくてはならないが、頑張るのだ。生きてゆけ。」マジで心からラストシーンを目にしながらそう思った。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] 水那岐[*]

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