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[コメント] エリザベス(1998/英=インド)

王。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実をいうと外国の中世を扱った映画は苦手だ。『エクスカリバー』やヴィスコンティ映画みたいにあるようなごてごてしたセットや衣装、歴史に対する無知などから今までは受け付けなかった。『エリザベス』は違った。苦手要素は全て揃っている筈なのに十分内容は理解できたし楽しめた。人間関係や権謀術数が幾分抑えられたセリフよりも多く映像で示されたためだろう。映像が美しい。大半を占める夜の闇と人物のコントラスト。そして何より歯切れのいい場面転換。

序盤の侍女たちと戯れるシーンを見ると彼女はまだまだ少女(演説の練習をする場面は最も気に入ったけど)。女王になってもまだまだ貫禄や権威がない。ロバートとの関係ともなれば一般人レベルになってしまう。何か企んでいるようで実は忠実な部下ウォルシンガムに負うところは大きけれども、彼女は次第に強固な存在へと変貌していく。相対的な女王から絶対的な女王へ。そしてラスト。能面のような顔の彼女を見つめるロバートを始めとする部下たちの目には明らかに畏れが感じられる。縄文時代のような古代社会にあったらしい神秘化超人化され、魔術的といってもいいようなメイク。エリザベスはもはや女王ではなく王と呼ぶに相応しいだろう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)水那岐[*] 鵜 白 舞[*] いくけん mimiうさぎ[*] peacefullife[*] シーチキン[*]

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