[コメント] ポーラX(1999/日=スイス=独=仏)
考えてはならない映画。
極端な2つの要素が共存している。
映像に圧倒的な力がある。主人公の邸宅やらなにやらも含め、極めて豪奢なムードに満ちている。一つ一つのシーンに全く手抜きがない。オープニングの散水機からして既に期待をもたせてくれた。パソコンの画面や幻想的シーンなど、扱いが難しいであろう表現も全く嫌味なく作品の流れに取り込んでいるのが良く分る。
そんな映像面とは全然異なった方向に突っ走って行っているのがセリフである。全編「うわごと」のようなセリフで覆い尽くされている。これは、考えてはならない。セリフの意味をと辿ろうとしてはならないと思う。意味を知りたいと欲すれば欲するほど、イライラしてくるだろう。映像が補ってくれる。飽くまで、セリフは感じ取ればよい。
*思い返してみれば、このうわごとのようなセリフが、もっと意味明白であったなら、「ポーラX」は重厚さ・鈍重さだけが目立った作品になってしまっていただろう。セリフとの付き合い方が、観る者の評価を分けているのではないだろうか。
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