”靴が買えない人を、靴が買える人（私を含めた日本人）が哀れむ”

偽善以外の何物でもない気持ちが、途中まで頭の中の大多数を占めていた。が、マラソン大会でのシーン（妹の走る姿をダブらせた所）で涙が溢れ出た。この物語は兄弟の絆を描いた物語。どんな境遇に置かれたとしても、妹を思う気持ち、兄を思う気持ち。これに感動した。

親に心配をかけないように、２人が自分の中のわがままと戦いながら、それでもなお他人を思いやる気持ちを忘れず、毎日一生懸命生きる。２人の気持ちの起伏が非常に切なくも綺麗に描かれている。

親父も単なるダメ親父ではなく、現状を打開すべく不器用ながら、一生懸命生きている。

ラストシーンも完璧。観客の頭の中で、２人が靴を父にもらって満面の笑顔で受け取るシーンを想像させる。スタッフロールに変わった瞬間何とも言えない心地よい気持ちになった。

邦題を付けた方に感謝したい。素晴らしい邦題をありがとう！

最後に一つだけ難点。スタッフロールやら、タイトルやらが全く読めません。主要な役どころだけでもカタカナで標記して頂ければ、ありがたく思います。