切ない結末に向かって。

母親になり無邪気さをなくすシンディ、父親にはなりきれず、いつまでも子供で変わらないディーン。

最後に「変わる」と言ったディーン。 しかし、ディーンが変わることで果たして繋ぎ止められたのか。 多分結果は変わらないだろう。 遅かれ早かれ、同じ結末になったと思う。 シンディもさらに変われば、話は違ってくると思うが。

それにしても監督の力量が凄まじかった。 過去のシーンを編みこんだストーリー展開は言わずもがな、挿入するタイミングが素晴らしかった。ボビーと鉢合わせしたシーンのあとボビーとの関係が描かれるところや、モーテルでYOU & MEを流したあと、初めて流したシーンを入れるところ。枚挙に暇がない。

セリフにあまり固有名詞を含まないことで観客に問いかける。悪いのは自分かそれとも相手か。 しかしどっちが悪いなど、瑣末な問題だ。 結局はお互いに原因があるのだ。 だから幸運にも今手許にある愛を、大事にしようと強く思った。