ワールド・ウォーZの世界観は、他のゾンビ映画にくらべてグーーンと広いです。ゾンビもこれまた圧倒的に強いです。それはもう「絶望的」なくらいで、一瞬で町がゾンビによって支配されていく様を「これでもか！」と見せてくれます。空撮からの人間なのかゾンビなのか、分からないくらいの大混乱っぷりの映像はとても迫力がありました。

パレスチナの壁のシーンは予告で何度も観てたので「さすがに驚かないな」と思ってたんですが、そんな事はありませんでした。壁のシーンよりもよじ登った後の方が面白かった。この映画はひたすら逃げてる映画で、ガザ地区の住民何人いるか分からないけど、かなりの数の群衆が逃げている感が出ているのはいいですね。その後の飛行機でのシーンはちょっと酷い。ブラピもゾンビに感覚おかしくなったのか、まさかの手榴弾での飛行機爆破。やりますねブラピ、時折見せるダーティーな部分も結構好きです。あれぐらいしないと生き残れないでしょうね。

個人的には結構楽しめたんですが、「あれれ？」というシーンもありました。気になったのは、ゾンビと接近戦になっちゃうとカメラが何を捉えてるのか分からないシーンが多かったです。特にアパートの階段のシーンはさっぱり分からなかった。韓国の基地での上陸シーンもそうですね。画面が極端に暗かったのもあると思いますが、ちょっともったいないですね。

今回のゾンビはとにかく強いので、普通の対策してたら間違いなくやられちゃいます。人類があの強すぎるゾンビ達にどう生き残っていくのかが問われる映画だと思うんです。僕もゾンビ映画を観る時は、その世界に入って「オレならこうやって戦うぜ」なんて想像するんですが、今回のゾンビは無理です。絶対助かりません。地球上でゾンビに対向できるのはもう軍隊しかありません。なのでもうちょっと軍隊VSゾンビという地上戦をいっぱい見たかった。

けど大変面白かったです。ブラット・ピットがゾンビ映画、大変贅沢じゃないですか。