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[コメント] フューリー(2014/米)

壮大な戦争映画かと思ったら、TV版のコンバットのような雰囲気だったので、良い意味で拍子抜け。戦車がメインな映画なだけあって、タイガー戦車とシャーマン戦車が戦うシーンは大変興奮しました。ドイツ戦車の圧倒的に強いこと!
ギスジ

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結構ガチンコな戦争映画な印象でした。最近の映画では珍しい、CGを広く効果的に使わない絵作りが良かったです。戦車なんかホント数える程しか出ないんですよ。てっきりCGで水増しして、横一列に戦車が何十台!という、しょうもないシーンがあるのかな?と思ったんですが、そんなハリボテ的な演出も無く、「戦車は本物を使う!」という監督のこだわりは感じました。なので1台1台のリアリティが出て良かったと思います。

あと先ほども書いたんですが、メインはやっぱり戦車戦ですね。シャーマンとタイガー戦車の戦いは大変見応えがあり、正直燃えます。あそこのシーンだけで、十分満足できるくらいのクオリティーだと思います。あと、前線で戦車が誘導し進むシーンがあるんですが、戦車の後ろに歩兵が、十何人?と身を低くして進行するんですが、戦車好きな人には「あるある」なシーンかもしれないですが、僕は初めて戦車戦で、ああいう戦い方を観たので「こうやって前線を押し上げるんだな」と大変興味深かったです。途中、前線で孤立した兵士と合流するシーンで、戦車が危うく兵士を轢きそうになるんですよ。戦車に同乗している兵士が「右!右!いるぞ!」みたいな感じで、うまく誘導するんですが、ああいうのは戦車戦ではよくあるんでしょうね。しかし、せっかく援軍が来たのに、味方の戦車に轢かれたくないな。とドキドキしながら観ていました。

リアリティを追求している映画なので、グロイ映像が結構入ってきますが、表面的な所までしか描いてないので、割と気軽に最後まで観れました。ただ、スピルバーグのプライベート・ライアンみたいな映画を狙って撮っているのだとしたら、戦争の怖さみたいのは、あまり伝わらなかったと思います。途中までは、戦争による恐怖感とか出ていたと思うんです。中盤で新兵のノーマンに、捕虜のドイツ兵を「射殺しろ!!」と命じるシーンとか、戦車兵が火だるまになりながら、自ら銃で頭を撃ち抜くシーンとか、命がけで前線を死守しているドイツ兵が、ボロ雑巾のように死んでいくシーンは酷いなと思うんですが、ラストでフューリーの兵士達が、死んでいく表現が嫌でした。一人一人ちゃんと死ぬ見せ場もしっかり用意されており、死に様がどこか綺麗でつまんないんですよ。前で他の兵士達が、あれだけ酷い死に方を見せられてたのに、彼ら5人だけは、映画の力によって守られてる感じがして萎えました。せめて1人くらい酷い死に方をしてれば、「もしかしたら主人公もやられるかも!?」と緊張感は出ると思うんですが。まぁ、男の子映画だし、格好良く終わらないとダメなのは分かるんですが。

色々書きましたが、それでも最後まで観てる人を、グイグイ最後まで持っていく力のある映画だと思います。途中ドイツ人親子と、フューリーの兵士のやりとりなんかは、個人的に面白かった。フューリーの兵士5人と、ドイツ人親子で食事するシーンがあるんですが、割と長く見せるんですよ。柄の悪い兵士が一人居て、やっぱり暴れるんですが、ブラピに怒られたりなんかして笑。メキシコ系の兵士は、昔の話を出して泣いたりするし。僕がドイツ人女性だったら「早く喰って帰れ!」でしょうけど

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)緑雨[*] Orpheus

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