[コメント] 踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!(2010/日)
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作品を追うごとに物凄い勢いで駄作になっているこのシリーズ。
この作品は室井と青島の「成長物語」だと思っている自分には、室井にとっては敵役が、青島にとっては嗜める存在が必要不可欠だ。だから、新城と和久の不在がめちゃくちゃ痛い。日向というシリーズ中最強のキャラクターを持ってくるだけではとても穴を埋められないのだ。特に「普段はまったく目立たないけど、肝心なところで重要な助言をする」和久の存在は彼らが思っている以上に大きかった。次作をやるなら(彼らのファミリーを使いたいなら)木場勝己あたりにそういう役をまかせられたら画も筋も締まるだろうに。
通して見ると、誰も肝心なことをやっていないので緊張感もない。職場によくいる「忙しそうにしているけど、実は何もやっていない奴(・・・俺だけど)」が集団でいるといえばいいのか。やることに対して自らの意志によって行動しているやつがいない作品っていったいどうなのよ。病気の件だって、「なんか盛り上がりをつけなきゃ」という安い発想のような気がしてならない。前作の恩田の怪我だってうんざりしていた自分には「またかよ」という気分だった。
開始早々に呆れてしまったのが皆さんご指摘のとおり、引越しセキュリティの杜撰さだ。どんな中小企業でも見ない様ないい加減さが、どんな虚構な事件よりも現実性を欠く。そもそも一般企業のような警察を描くことが楽しかった作品なのだから、そういう部分こそしっかり描いてほしかったのに、この製作陣と世間との乖離が見て取れて、序盤から一気に気持ちが離れた。あまりにネット依存が強い作風もどうにかならないか。「2chに動かされているマスコミや警察」という図のようで気持ち悪いことはなはだしい。
もし次作を考えているなら原点に還る勇気を持ってほしい。
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