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[コメント] パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)

アカデミー受賞の翌日、ミーハー心に背中を押されて観に行った。 久々に見る満員の客席。でも、観終わったときに最初に思ったのが「『万引き家族』観なきゃ」だった。
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**ネタバレ注意**
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家族、犯罪、貧困、そしてアジア。カンヌは2年連続してこのテーマにパルムドールを与えた。 テーマは異なるが、この符号はなかなか興味深い。 そしてアカデミー賞。監督賞、国際長編映画賞は納得だ。 しかし、脚本賞と作品賞にはちょっと首をひねった。決して悪くはないのにどうも腑に落ちなかった。

自分が好きだったのはシーン毎の構図とカメラワークだ。さすが『スノー・ピアサー』『オクジャ』とあちらで2本撮っているだけある。 なかなか滑らかな画を魅せる。

でも、終盤のあのパーティーシーンは衝撃的とはいえ必要性に疑問が残るし、 途中の大雨で半地下の家が水浸しになるシーンも暗喩かもしれないが活きているとは言い難い。 富豪家族が出かけた途端に行われる寄生家族のパーティも何度となく見てきたシチュエーションだ。

一番気にかかったのは「誰の視点で見ていいのかわからない」ということだった。 序盤では息子中心に話が進んでいくのかと思ったが、家族が加わっていくたびに中心が変わる。 家族が揃って視点が均等ならよいが、息子は既に脇役程度の存在から出ることはなかった。 第三者視点というには彼らに寄りすぎているし、途中からかなり居心地が悪かった。 腑に落ちなかった理由はたぶんここだ。

自分はタイトル通り、如何にパラサイトとして侵食していくかが見たかったのだ。誰も殺さずに。 この監督は人を殺さなくとももっと傑作が作れるはず、そう思った。

二番煎じやリメイク、続編ばかりのハリウッド作品にオリジナルかつ英語外の作品が作品賞を取る。 世界の映画賞を自負するなら当たり前のことだけど 今後はフランス映画やイタリア映画、スペイン映画や中国映画、ロシア映画などなど、そして日本映画も賞を取れる可能性を作ってくれた。 アジア映画であり、かつ純然たる韓国映画がアカデミーに風穴を開けたのはとんでもない功績だし賛辞を贈りたい。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)たろ[*] シーチキン[*]

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