衣装美術は良かったと思う。ただこの後の展開を考えてももっとドロドロしているかと思ったが、意外と駆け足気味に話しが進みあっさりした印象を受けた。一夜を共にする→懐妊→出産という展開も早くて笑えた。姉妹の確執もすぐに解け、もうちょっとその辺を見たかった。

　頭の切れ野心ある姉役は、実生活も踏まえてナタリー・ポートマンはさすがという感じだが、スカーレット・ヨハンソンはちょっと合わなかった感じだった。好きな女優で雰囲気には合っていると思うが、もっと素朴な可愛らしい（スカーレット・ヨハンソンはツンとした美人という感じ）感じのほうが、姉との対比で良かったと思う。確かアンの次の奥さんは穏やかな人だったらしいので、登場していたら（姿だけ出ていたかもしれんが）対照的なアンの性格がもっと浮き彫りになって面白かったかも。

　王はエリック・バナが演じているので、自分勝手な王であっても格好良くもてるのは納得できたが、王（割と名君だったはず）の威厳が感じられず王室の確執劇に重みがなかったのが難点。あまりドロドロしたものは好きではないが、王妃の離婚裁判やローマ教会との離脱など歴史上重要事項をサラっと描くのなら、もうちょっと前王妃も含めてせっかく才色兼備の女優がいるので、人間関係をもっとじっくり描いて欲しかった。