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[コメント] フランソワ・トリュフォー 盗まれた肖像(1993/仏)

 みんなが持っているトリュフォーの肖像。全部集めるのは無理な話だけど、どの努力を買おう。大甘四点。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 トリュフォー映画をある程度観たひと向け。最低でもドワネルシリーズを見ていないと、どうでもいい映画だと思う。まあそういうひとは観ないと思うけど。

 ドキュメンタリーの対象があらかじめ失われているという制約の下で、それでもこの映画を撮りたかった制作者。それなりに熱意のある人だと思う。登場するトリュフォー作品の選択が非常に的確で観ていて安心。

 そして登場する人びとが実に多岐にわたっていて、もう本当にいろんな面からトリュフォーを探し求めているのがわかる。(ジャン・ピエール・レオーが出てこないのは正解だと思う。トリュフォーの人生を生きてしまった彼が出演してしまうと、彼の語る“肖像”が一番正しいような錯覚が生まれてしまうだろう。)その人たちの意見はもうみんながみんな自分の中のトリュフォーの“肖像”をもっているからてんでバラバラなんだけど、そのバラバラなところもトリュフォーなんだろうな、と。まあそれだけ細かくトリュフォーの肖像は散らばっているのね、と。まあそれだけにラストは唐突ではあった。メモだけ集めて作品になりきっていないんだけど、今回は特別に許そう。だってトリュフォーの“肖像”、私も持ってるんだもん。

 唯一の不満は、締めがファニー・アルダンだってことだな。ありきたりな終わり方として『逃げ去る恋』のサビーヌのバラバラ写真でも出して欲しかったよ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)山本美容室

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