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[コメント] カサノバ(2005/米)

 カサノバさんの理想の恋人ぶりをもっともっと! 
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 年老いたカサノバの悲哀を描いたのはフェリーニだったけれども、今回のカサノバは若い。そして舞台は本物のヴェネツィア。『ロック・ユー!』の頃に比べると体に厚みが出て男っぷりの上がったヒース・レジャーくんに骨抜きにされちゃう覚悟で観に行きました。

 タジマヨーコ的ウーマンリブ思想を持っていそうでいて、恋をしたことないのに恋愛指南本出しちゃうという、その痛々しさに涙が出そうなヒロイン。まあそのイタイ子ちゃんが、予告編で言う、恋愛の達人カサノバさんの“愛という名の罰”を受ける話だと思っていました。“愛という名の罰”ってどんなもんなんだ、“罰”って言うくらいだから苦しんで悶えて大変なことになって、二度と恋の楽しさを味わえないようにされるに違いないと信じていました。

 …んだけど、アゴあがったまんまだよこのヒロインは。この映画、結局のところ恋愛本の通り、イタイ子の思うとおりに進みます。最後までじつにちからづよいですね。恋は、ヒロインの想像したとおりだったということで、新しいことなんかないわけで、何の変化も生まれないわけですよね。なんだか不毛な感じ。そんな恋を観ていても楽しくないぞ! 最後の立ち回り、ヒロインに剣を持たせないで! このヒロインに守られる幸せ、かよわいことの喜びを感じさせてあげて! 

 そのほか、『存在の耐えられない軽さ』から20年近くを経てなお美しいレナ・オリンと、相変わらずカミソリのように細身でキレがあり紫の衣装がエレガントなジェレミー・アイアンズの扱いにも許し難いものがある。 

(評価:★3)

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