コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] Mr.インクレディブル(2004/米)

アメリカではアクションが問題になってPG12指定を受けたそうですが、そんなことよりMrs.インクレディブルの艶かしさをR18指定にすべきです。あれは間違いなく子供に悪影響を与えます。僕が保証します。何故なら僕にも悪影響を与えたからです。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 まぁどんな悪影響かは敢えて言いませんけれども。何かね、体のラインはもとより、自動ドアにお尻が引っかかるシーンとか、コスチュームを着てお尻のラインを気にするシーンとか、どうもお尻フェチのニオイがするんですよ。とまぁそんな人生が煮詰まったような話はさておき。

 日本ではヒーローというと、大概の場合かなり万能な設定にされることが多いようです。鉄腕アトムは10万馬力で空も飛べ、目はサーチライトでお尻はマシンガン。ウルトラマンも空が飛べるし、体の大小は思いのまま、手からは光線も出れば水も出る。近来ではドラゴンボールみたいにどんどん成長しちゃうヒーローまでいる始末。もちろん例外的に力の限られたヒーローもいますが、その多くはかなり贅沢な力を持たされています。

 ところがこれがアメリカになると、途端にその力に限界が作られてきます。色々できるのなんてスーパーマンくらいで、あとは「怒ると緑になって力が強くなる」だの「手から糸が出て壁を登れる」だのと、一般人+αみたいな連中ばかり。中には「金持ちだからコウモリの格好をしてみた」みたいな奴までいる。『X−メン』なんかを観ると特に思うんですけど、結局アメリカのヒーローって基本的に「何か一つに長けた能力者」なんですよね。『ロッキー』などの「超人間」との線引きが非常にしづらい、ヒーローと呼ぶには余りに人間的な存在。正直僕はアメリカヒーローのこの点があまり好きじゃなかったんです。

 ところが今作、このベタベタな家族の物語に、アメリカ的なヒーロー感がきれいにハマっていたんですよね。家族それぞれの長所が、そのままヒーローの特殊能力になってるように思えるんです。父はたくましき力で家族を導こうとし、長女は消え入りそうな引っ込み思案ながらも堅実さで家族を守る。長男は明るい性格で家族を牽引し、母はその柔軟性で家族を包み込む。そして赤ちゃんは何にでもなれる将来性で家族の未来を担う。全員がその長所を活かすことで家族を守るという人間的なテーマが、アメリカ的ヒーローであるからこそ表現し切れていたように感じました。

 しかもこの作品、皆が弱いにも関わらず容赦が無い。「ベストを尽くしなさい」「人は誰もが皆特別なの」。通常弱き者を守るために用いられるそんな道徳を、物語は「そんなこと言ってるんじゃない」と吹き飛ばして進んでいきます。結局のところ、「誰もが皆特別なのだから」その特別な力を発揮すべき場所をしっかり見極め、そこで「ベストを尽くしなさい」ってことなんでしょうね。PG12らしい、「道徳のいろは」から一歩踏み出した教訓だと思います。

 考えてみると、上記は全て「人間をしっかり見ようとしている」ってことの表れなんでしょうね。完全ならいいってわけじゃない。ベストを尽くせばいいってわけじゃない。大事なのは補い合うこと。導き合うこと。子供向けと呼んでしまうには、結構社会と人間を深く描こうとしているように思えました。しかもそれをあんな見事なCGで展開されたんだから、正直文句の付けどころが見つかりません。きれいにきれいに仕上げられた★5です。まぁちょっと気は散りますけどね。だってお尻が

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (27 人)Orpheus IN4MATION[*] ほしけん tkcrows[*] Lostie[*] りかちゅ[*] uyo[*] kazya-f[*] ふかひれ HILO[*] おーい粗茶[*] Tanz ナッシュ13[*] あき♪[*] sawa:38[*] takamari[*] Osuone.B.Gloss[*] トシ ペペロンチーノ[*] アルシュ[*] Pino☆[*] ホッチkiss[*] リア[*] すやすや[*] ナム太郎[*] ジョー・チップ[*] Yasu[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。