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[コメント] ビッグ・マグナム 黒岩先生(1985/日)

西川のりおのおもらしにかかった虹の美しさにたこ八郎が感嘆の声を上げるシーンは、邦画界屈指の名シーンであるといえましょう。
Myurakz

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 正直自分でも★3は多いかなとも思うんですけど、そもそも何を期待して観たのかと問われたら、「やっさんの無茶な暴れっぷり」としか答えようがないですからね。学園物として感動しようとしていたわけではないですし、バイオレンスアクションに心躍らせようとしていたわけでもない。僕は「現実の横山やすし」と「黒岩先生」の絶妙なリンクっぷりを楽しみたくて観たんです。そういう意味ではこのキャスティングの段階で、この作品はある意味勝っているんです。

 ニュース番組で、国政選挙で、幾度となく日本の現状を嘆きながら、また幾度となくタクシー運転手を殴るやっさん。今作で教育現場の腐敗を嘆きながら生徒に向かって銃をぶっ放す黒岩先生こそが、正にやっさんその人の生き様であったのです。

 だからこそエンディングにおいて、黒岩先生はセスナ機を操縦するんです。一見脈絡のないシーンに思えますが、やっさんの趣味がセスナであったことを思い返せば答えは一つでしょう。そう、あのシーンにおいて黒岩先生は完全にやっさんと化したのです。もし次作が作られていたなら、きっと先生はモーターボートを運転してくれていたことでしょう。素晴らしいやっさんアイドル映画です。

 にしてもいい加減な脚本だったなぁ。墓場から黒岩先生が蘇った時の「いつ着たのかもわからない完全武装」はまだ許すとしても、「不良の上部組織のヤクザ」も顔見せただけだし、木村一八のプロットも適当だし。そもそも教師が生徒に向かって銃やバズーカぶっ放して、挙げ句に「いかなる時でも教師であれ!」ですからね。それはお前だよと。結局あれかな、客層がそんなに緻密な脚本を求めていないってことなのかな。需要と供給という意味で。まぁそんな客層がどこにいるんだかよく判りませんけど。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)死ぬまでシネマ[*] ゆーこ and One thing[*]

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