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[コメント] ゴーストワールド(2000/米)

恐らく10代の頃に観たら雷に打たれていたであろう映画。僕が笑って観られたのは、大人になったってことなのかな。ただし「モラトリアムである」っていう根底の部分では今でも変わらず痛いです。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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10代の頃に感じる、世間への拒絶や社会・友人からの取り残され感。若い人特有の浮っつきと笑ってしまえばそれまでですが、こんな感覚大人になってもそこここで顔を出してきます。○○が結婚した、△△が家建てた、□□は英語学校に通い出した。

どんどん進んでいく社会に拒絶されそうな恐怖感、同レベルだと思っていた相手が自分の脅威になる孤独感。「自分の能力は劣っているんじゃないか」「自分がやってきたことは正解なのか」。結局は自分の道に自信を持てていないんでしょうね。

若い頃のファッションや恋愛はまだいいです。「若い」で片付けられるから。でももっと歳を経ってしまった「元イーニド」は、最後の逃げ道すら塞がれてしまうんです。この先、道を見据えて戦うのか、モラトリアムであり続けることで戦うのか。どちらも楽な道ではないですね。

そういう意味でこの映画、恐らく制作側の意図とは多少外れながらも僕にはキチッとヒットしてきました。イーニドにはイーニドであるための戦いを続けてくれることを願います。ジーパンが無くなってもバスが来てしまっても、この戦いは戦い続けていれば負けることはないんです。モラトリアムの何が悪い。良かないか。

スケッチブックのシーンは胸に来ました。あんなこと書いてくれる娘なら、たとえ体つきがだらしなくても土下座して付き合ってもらいます。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (11 人)ペペロンチーノ[*] Alcoholic[*] 埴猪口[*] はしぼそがらす[*] 半熟たまこ[*] 狸の尻尾[*] ぱーこ[*] m[*] ボイス母[*] tredair[*]

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