ジェリー・ブラッカイマーとディズニーの組み合わせっていうのも、考えようによっては双方の不足部分を補い合えてる組み合わせなんじゃないのかな、と思ったりします。「泣け！」と叫びながら丸太を振り回すようなブラッカイマーは、オーソドックスで繊細な感動を描くのが下手なイメージ。そんな感動ならお任せのディズニーは、逆に大の大人にも有無を言わせない迫力っていうのとはちょっと縁遠い感じです。 だからこの段階で既に、「無難な及第点映画」ができるまでのレベルは整ってるんですよね。

　その「無難な及第点映画」を、一人で「汗とムスクの香り漂う海洋冒険映画」に押し上げちゃいましたジョニー・デップ。もうねぇ、マストに立ってる時に体が描く曲線からして格好いい。うっかり僕まで金歯入れそうなくらい惚れ惚れします。

　結局ここまで計算した上でのキャスティングをしたディズニーの底力、ってことなのかなぁ。

　モチーフとなったディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」も、最近は並ばずに乗れることが多いです。どうせだったらこの映画と絡めて大改造しちゃえばいいのに、と思うんですけどね。オーランド・ブルームと回る先々でデップやジェフリー・ラッシュ登場。ふわぁ、贅沢。