[コメント] ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日)
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えーっと、5点をつけといてなんですが、ストーリーの出来はそんなに良くないと思う。ただ、そうした欠点を気にさせない勢いがこの映画にはあります。
最後の機関銃のようなもので攻撃するシーンを見て、「それをやっちゃあらおしまいだよね」と思いました。でも仕方がないんだよね。勝元も敵も納得づくだったんだから。
あの機関銃(のような武器)を使うことで、戦いに勝ったというよりも過去のルールがはっきり死んだのです。それまでの価値観で言ったらあんなもの使うのは反則です。でも戦に反則なんてない。本当はあるんだけどない。なんでかっていうと、そのルールは侍の内部からでなく外国から来たものだから。仕方ないよね、だってこういうのが有りっていうんだもん、海の向こうではって。
そして勝元は新しいルールそのものに戦いを挑んだんだわけです。そんなの認めないって。勝元が認めなかったのはそれだけではなかったけど。
西部劇で敵同士二人が背中を合わせて歩き出し振り向いて撃つっていうのがあるけど、あれも武士道というか騎士道だよね。そうか、武士道と騎士道は似てるんだ。
将棋を指していたら、相手の歩兵が全て香車になってたみたいな。つまりあのシーンはもう以前のルールでの戦はない、これが最後なんだよということだったわけです。それを知っていても勝元側は古いルールで闘う、それ自体が彼らのアイデンティティだったんです。 勝元は新しいルールそのものに戦いを挑んだんだから。そんなの認めないって。 大村は降伏すれば無傷で許してやると言いました。今までのルールを捨てて、行き続けるという選択もあったと思います。部下を道連れにして死ぬなんて、という考えもあるかとと思いますが、大将である勝元を慕う人たち、彼らは勝元が天皇に命をあずけたように、勝元に命をあずけていたのです。
(↑2004.01.01に再度鑑賞しての感想です)
少し疑問に思った箇所が3つ。 いずれも微細なものですし(重箱の隅をつっついたような)、私の勘違いかもしれません。 念のため書くとこの映画がハリウッドで作られた違和感は全くといっていいほど感じませんでした。
・タカが髪を洗っていた場所が少し不自然な気がしました。 (夏場だったらそういうことするのかも。川で水浴とかするから)
・道端にあのような仏像はあまり置かない気がします。
・田植えの映像があったが、稲の間隔が広い気がしました。(細かいですね)
九段会館の試写会で見たのですが、また映画館で見たいと思います。
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