メメントに始まり、インソムニア、プレステージ、ビギンズ、ダークナイトと虚実が入り混じる物語はお手の物のノーラン監督だったが、この映画はほとんどが虚だった（愕然）。

想像力、構成力、ドラマ、配役、演技、すべてが4.5点だが、終盤にまとめあげる力とラストシーンの格好良さには心が震える。ダークナイト同様にハンス・ジマーの抑えたＢＧＭと渋めのシーン構成で観客を釘付けにするノーラン節！この作家性が加わって5点に昇華！

難解な設定に加え、一度では隈なく理解できない部分が多いことから、きっとカルト的な範疇で人気を博すことでしょう。

それはそうと、俺もあるぞ似たような体験！

よく、トイレに行って小便をしてたらそれは夢で、目が覚めると寝小便をしていたってことあるでしょ？ある日、トイレで小便をする夢を見て、「これって夢だろ」と疑いながら何とか小便をこらえつつ目が覚め、今日は騙されなかったぜ！と勝利した感含みで誇らしげにトイレに駆け込み、小便したら、それもまた夢で、起きるとやっぱり寝小便してた・・・という事があった。

その時は「俺の脳も随分手の込んだ事をするなぁ、脳ってすげぇなぁ」と敗北感より先に感心してしまったもんだ。ところでクリストファー・ノーランさんよぉ、この映画のアイデアの発案は意外にも俺と同じような体験なんじゃないの？？？とちょっぴり勘ぐってしまうのであった。。。