[コメント] パニック・ルーム(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭から衝撃的だ。
フィンチャー作品のお楽しみ、オープニングのタイトル・クレジット。世界一パクられる映像作家カイル・クーパーの表現は今回もサエている。最初の一構図目でクレジットが微妙にズレていて、「あれっ何か変だぞ!」と思わせてからズバズバ遊ぶ・・・心憎い構成だ。
↓ここも楽しい
http://www.imaginaryforces.com/ifsite/flash/flash_set.htm
さて、本編。
地味に始まり、賊の進入時に恐ろしいほどの長まわしで「嫌な」感を煽り、一気にパニックルームへ駆け込む羽目になる。ここからはこの映画の中心となる「パニックルーム」内外での細やかな攻防。基本ラインは知能戦で、戦いを見せながらそれぞれのキャラが浮き彫りになっていく見事な展開。
家という密閉された空間内に「密室」という更に強力な密閉された空間を置くというのは実にうまい設定だ。
こんながんじがらめな状況でストーリーが進展するのか!?との心配をよそに、中と外の面子が入れ替わり、状況は一変!このあたりがゾクゾクする。
「出たい!」「知らせたい!」が「入りたい!」「知られたくない!」に変わっていく。
ラスト。
実にあっけない。これがまたヒッチコック的ともいえる。ラストに奇をてらったドンデン返しを使わなかったスリラーの神様よろしく、フィンチャーもどうということのないエンディングを用意している。
ラストのオチで名を馳せたフィンチャーゆえに、なんのオチがないのも、ある意味フォンチャー的ドンデン返しともとれる。
面白い映画だった。
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