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[コメント] マルコヴィッチの穴(1999/米)

わたしの想像力が負けた映画
ALPACA

とにかく、どこかの穴からマルコビッチの中に入る。というだけでは、全く惹かれるものがなかったものの、これ全編自分の想像力を超えるアイデア満載映画でしたよ。

人形使い、妻との関係、7と1/2階のオフィス、そこでの仕事、穴に入ることを会社組織に、チンパンジー、奇妙な三角関係、ラストの決着。そこに着地しますか。ずいぶん遠いところまで行ってしまったね。参ったよ。と感心することしきりの映画でしたよ。

ただ、公開から数年たつと、映画の前段階である人形使いと7と1/2階での仕事の面白さだけが残り、面白いと思ったはずの三角関係の部分も、結局はその「複雑な」関係のためだけであり、思いが無かったからなのか、印象が残らない。もちろん「自己の存在」などという概念も言葉も何も残ったものではない。と、それは記憶力の問題かもしれないね。という不安もありますが。大切にしたいものの大いなる欠乏。などと勝手な感想。

その場で楽しめて、すぐ忘れてしまえることこそ映画の楽しみ。というハリウッドの公式には、確かに充分すぎる合格。しかし、しかし、 はじめからアイデアありきで、人を描くことを放棄したかの映画は悲しい。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (6 人)sunny[*] ilctr 水那岐[*] ろびんますく[*] かっきー ボイス母[*]

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