[コメント] ゴーストワールド(2000/米)
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なぜかものすごく感情移入してしまう映画だった。冒頭から前半にかけては、若者っぽい言葉遣いで、ラフな感じで進む面白いコメディだ(コンビニのヌンチャクやら店長、情けないブラッド・レンフロなどキャラも濃かったし)と思って楽しんでいたのだが、中盤からは「一体自分は何がやりたいのか?」と彷徨うイニードにかなり感情移入、そして共感してみていた。ここのコメンテータの方の意見を見ても、かなり感情移入してこの映画を見てる方が多いな、と思ったのだが、イニードの感情はどの世代でも人生のどこかで感じるであろう気持ちなのかもしれない。
何もすることがないからシーモアの恋人探しをひとつの"すること"として手伝い、実際シーモアには恋人ができ、レべッカも徐々に社会へと適合していく。そんな中でひとり取り残されたイニードを見ると、彼女の悲しさ、虚しさがこっちまで伝わってきた。美術の才能を生かしてつかんだチャンスも棒に振ってしまう。イニードのような気持ちは誰もが感じるのだが、彼女は極端に人生に対して不器用なんだと思う。
ラストシーン、イニードはゴーストワールド行きのバスに乗った=自殺をした、と多くの方が解釈しているようだが、自分はそう考えたくないのが本音。なぜなら、最後の方のイニードからは、冒頭のイニードよりも確実に成長した彼女の姿を感じたから。バスを待ち続けるおじさんのエピソードから耐えて、信じて耐えて、いつか目的をつかむことを学んだと思うし、どこか他の場所で、新しい生活をして、いつか成功を摑んで欲しいと思ったから。
内容以外にも、ちょっと個性的な衣装やインテリアなどの飾りの部分、シーモアのレコードオタクがらみで音楽、そしてブシェーミやソーラ・バーチなどもちろん役者も良かったです。青春映画としてお気に入りに追加です。
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