ヘザー・グラハム。彼女は本当に美人だと思った。本編中で何度違う衣装を披露してくれることか！しかもどれも良くお似合いで。まるで彼女のファッションショーを見ているかのようだ。さらに、開始早々濡れ場も披露してくれる。中盤になると、首に紐を巻きつけるアブノーマルセックスまで！彼女の美貌を見せ付けられ、男性には嬉しいシーンもしっかり用意され、本当に"ヘザー・グラハムショー"だ。だが、彼女に惹きつけられているのは演技ではなく容姿なのが残念。

　映画自体は悲惨な出来だ。サスペンスとしての魅力がほとんど見られない。というか、サスペンス色を出すのに誇示しすぎた結果、サスペンスの魅力が失われたように見える。演出がすごくワザとらしく見える。まず、アダムの存在から問題だ。結果的に言えば、彼は何も悪くない人間だった。だが、初登場シーンから不必要なまでに怪しさだけを引立て過ぎた気がする。悪くない人間をいかにも悪そうに見せようとしたのが裏目に出たと思う。どうみてもジョセフ・ファインズの雰囲気自体が怪しすぎる。少しはメリハリつけないと・・・。過剰に怪しさが出ているのが逆に引っかかり、途中からアリスが一人で勝手に混乱して空回りしているように見えてきて、その流れでオチも予想できてしまった。アリスとアダムの姉が車に乗っている時なんて、アリスに横にいるやつが黒幕だからって教えてあげたいくらいだった。に一緒にオチがわかるのは別にいいのだが、それに行く過程がさすがに悪い。話が盛り上がりそうで盛り上がらない、ブツ切れな感じも気になった。最終的に愛の物語みたいにまとめようとしてても、これでは説得力が感じられないです。