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[コメント] サマーウォーズ(2009/日)

最高に面白かった。文句なしの5点。この映画に4点以下をつけることは、私にはもったいなくてできないや。
4分33秒

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







私にとっては充分過ぎる出来。細田守奥寺佐渡子のコンビは、今、私が全幅の信頼を置く監督と脚本家。普通の映画は、観ているうちに「ここが足りない」とか「ここが余計」という思いが脳裏をよぎり、鑑賞を邪魔するものだが、この映画ではそれがほとんどなかった。安心して身を任せていられた。観終わった後の満足感、満腹感は非常に大きい。衒学的だったり映画ヲタク向けだったりせずに、最大公約数的な分かりやすさと、それでいて適度に理論的・非理論的な「面白さ」を提供してくれるこの映画は、本当にありがたい。…むしろそういう映画を作ることの方が難しいし、才能が要るのではないかと思っている。こういう「意図された分かりやすさ」を、まるで欠陥か瑕疵のようにあげつらう人がいるが、私の脳ミソはどうやらそこまでデキが良くないようだし、それは私にとってはあまりにストイック過ぎると感じる。金払って観てるんだし、根本的に、私は映画を(勿論自分におもねることなどせずに素直に)楽しみたい。

…実はこの映画、この監督が約10年前に作った『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』の「焼き直し」である。(その類似度は相当に猛烈で、「焼き直し」どころか「リメイク」といっても差し支えないレベルである。)それを分かっていても、満足度はなんら変わらない。この『ウォーゲーム!』は知る人ぞ知る名作で、細田守という人が只者ではないことを早くから知らしめた映画なのだが、10年やそこらでもう自己模倣というか「伝家の宝刀」を出しちゃったことには、やや不安を覚える。これから先、息切れせずにコンスタントに良作を生み出せるのかな…という心配がちょっとだけある。

最後に、CGの使い方。巷に、どう考えても無駄、あるいはチャチ、あるいは製作者の自己満足的な使い方をされることが多い邦画のCGだが、この映画は非常に適切な使い方をしている。(つまりOZの中の描き方なのだが。)変な言い方だが、「良心的」だと思う。

…この監督の前作『時をかける少女』は私の地元では公開されず、わざわざ新宿まで観に行ったのだが、ようやく細田監督もメジャーになり、家から徒歩10分の映画館で観られるようになった。ウレシイ、ウレシイ。(2009.08.01 イオンシネマ高崎にて鑑賞)

(評価:★5)

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