公開版ではエンディングにアニメ版よろしく「ガオーーー！！（鉄人の声）」が入っていると、もっと子供たち(大きいのも含む)が喜ぶと思いますよ。

舞台挨拶で特撮監督の松本肇氏が「CG全般とブラックオニキスを担当しました」とわざわざ断わりを入れていたように、鉄人28号とブラックオニキスのCGの出来映えに格差が見られたのが少し残念。…というか鉄人、ブルーきつすぎ。鮮やか過ぎてもろCGっぽい感じな色合いが目に痛い。例えばグランツーリスモに出てくる懐かしのカルソニック・スカイラインでもあんなに鮮やかなブルーじゃねいっすよ。多分。

ただ、久々に映画が始まる前のワクワク感があって、それが裏切られるようなことはなかったかな？…という、全体的には良作だったというのが正直な感想。ブラックオニキスが増上寺から東京タワーへ、麻布から六本木へ大暴れするシーンでも、過激ながら過剰な(残虐とかの)描写はなく、ある意味安心して童心に帰ったようにワクワクして見ることができたし、また、旧作ガメラシリーズのように子供たちが（正太郎の友達や蒼井優演じる役どころなど）何気に活躍してる所が、近年稀に見る厭味の無い健全な(？)作風を醸し出しているといっていいかも。

池松壮亮クンの金田正太郎は完全にオリジナルキャラで、何かダウンタウンの浜ちゃんの小さい頃のような鼻っ柱の強い、でもちょっとビビリなガキんちょという雰囲気でしたが、あれはあれで、逆にステロタイプっぽくジャニ系の美少年を持ってこられるよりは庶民的で良かったのかな？と思いました。鉄人が思ったより大きくないし、スーパーロボットでもないですからね。操縦者もどこかオタオタしてる表情の似合う(笑)池松壮亮クンであってると思いました。それ以外にもキャスティングが結構オリジナルでかつ凝ってるんですよね。鉄人ファンならそこらへんも何気に楽しめると思います。

ただ、最後のほうになるに連れ、登場人物の数や闘いの舞台が徐々にスケールダウンしているような気がするので、結果的には★３。少し残念。

それと皆さん、チラシに騙されてはいけません。これは現代劇です。