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[コメント] あの夏、いちばん静かな海。(1991/日)

セリフなしでも映画は撮れるってことを証明しただけの作品。北野のステップアップの一部。今さら観る価値なし。

障害者を理解していないというのは俺も思う。セリフをしゃべらない自然さと引き換えに、障害者としての不自然さが目立ちすぎてしらける。別に障害者がどう思おうが世間がどう勘違いしようが俺の知ったことじゃないが、障害についての知識が全くない20才そこそこのガキにまで「不自然」って思われるのは論外なのでは?健常者が描いた障害者ってホント、観てて不快なんだよね。

結局セリフをしゃべらせたくないだけでしょ。他の人のコメントで北野が自分でそう言ってた事を知ったけど、観てる最中にも感じちゃったよ、「ろうあを描いたんじゃないんだな」って。ろうあが借り物の器である以上、当然ろうあの設定が目立てば目立つほど余計になるわけだ。ろうあならではの描写を徹底的に排除するか、それが出来ないなら堂々とろうあを描かんと。どっちかにせい。

ろうあにはしゃべらないこと以外に「聞えない」という要素があって、そこがただ無口な主人公の映画との違いなはずだが、「静かな海」って意味が、主役がしゃべらないから静かってこと以外に何も伝わってこなかった。彼ら自身が聞えないから「静か」ってのは飾りにしか思えない。音楽うざすぎだし。あらゆる点で中途半端。

HANA-BI』で普通の人でやれているわけだから、そっちを先に観た俺に言わせれば、普通の人でやる自信がないから妥協しただけにしか思えん。今まで観た北野映画の中で一番つまらなかった(BROTHERを別にすればだが)。

結論。しゃべらせない映画を撮りたい北野が、「ろうあ」「静か」「海」という安易な設定に逃げただけ。

(評価:★2)

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