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kionaさんのコメント: 更新順

★4ガス燈(1944/米)後進になぞられ上書きされ後景化していくのがミステリーの宿命だとしても、心理を突き詰めた描写はいつまでも鮮烈。稀代の女優が真綿で首を締められるかのごとき時間経過が倒錯的な甘美を醸し、大変よろしくない。残る名画は、なんやかんや見て損がない。[投票]
★3ゴールデンカムイ(2023/日)原作未読、副題ないから完結するのかと思ってしまった。ロケの意気込みが伝わってくる出来栄えだが、漫画映画の枠組みからはみ出さないことが未読でもわかる予定調和が個人的にはのれず。たとえば『レヴェナント』のクマはある意味もっと漫画的だったけど、マインド面で実写にはああいう緊張感を期待してしまう。[投票]
★4東海道お化け道中(1969/日)お化け以外がむやみに面白く、意外性もあって、嫌いでない。特撮パートが弱いというか、淡いのだが、それがむしろ本編を引き立てているようにも。オーバーラップを見ながら、ひと様を蔑ろにしちゃいけねえ、あいつらが見てる…なんて気になる、地味な佳作。[投票]
★3ひまわり(1970/伊)ひまわり、ロケ、雪中行軍が圧巻。世界を相手にわたしの愛を探しに行く地獄めぐりに残酷な裁定がくだされ、どこへ向かうとも知れぬ列車に飛び乗っては号泣、ロシアンおばちゃんたちに「なんやねん、こいつ!」思われるまでは最高の青春白書。以降、わたしの感情は完全にロシアンハニー側。[投票]
★3キャッシュトラック(2021/米=英)もはや怪獣シャークともやってるステイサムが糞詰まり顔をし続ける微妙なテイスト。ガイ・リッチーの方も、スピードとキレで躍り出たあのころから幾歳、経験値だのみの判定狙いみたいな微妙な出来栄え。中途半端に戦争後遺症ものとか無理すんな…。[投票]
★3犯罪都市(2017/韓国)マ・ドンソクさんは、日本では絶滅した昭和のスタア。 [review][投票(1)]
★4ノスタルジア(1983/伊)一見、何一つ起きない前半は、ロケと美術が織りなす構図がさながら名画の洪水。間、距離、沈黙、そして女という存在が醸成する肉感的な緊張。絵画なら、いっそ動くな、這い寄るな…。一転、後半の独演や蝋燭を介した動性は、作為を易く覗かせ、俺は白けた。炎が見事だとしても。[投票]
★3プリデスティネーション(2014/豪)おつむが達者な方が酔っ払ってぶった与太のようだが、原作はハインライン先生ですか。先生が草葉の陰で見ていたとしたら、しかし、こう突っ込んだだろう――「骨格まで変わっとるがな…!」[投票]
★4暗殺の森(1970/伊=仏=独)昔はベルトルッチなんて苦手だった。年くった今は70年代のざらついた空気と抜群の構図だけで見ていられる。話はやっぱり面白くもないと思ったが、彼は…いや我々は、あの森で何を葬ったのか…立身に空回り、結局何者にもなれず他者をそしる凡百の無力と疎外感は尾を引いた。[投票(2)]
★4コンティニュー(2020/米)ビデオゲーム映画をそんなに見てきたわけじゃないが、これまで見た中で最もエモい。まさにコンティニューをふくむゲームのモチーフが映画の脈動に昇華されていて秀逸。監督だれやと思ったら、ジョー・カーナハン。そうか…『NARC』から幾歳、まだこんな映画撮ってはったんや…ご立派![投票]
★4ナイトメア・アリー(2021/米)シェイプ・オブ・ウォーター』の(怪獣少年特有の)子供じみた脱輪が嘘のように、こちらの見世物小屋懐古(あるいは回顧)は大人の苦みで貫徹した近年まれにみる円環。追いかけてくる闇に潜む父性の暴力がフラッシュバックする一瞬まで、すべてのモチーフが数珠つなぎの納得感。[投票(1)]
★2哀れなるものたち(2023/英)見た目以上にフランケンシュタインの威を借りているところがある。ウィレム・デフォーが出ていなければ成立しないとさえ思える。 [review][投票(1)]
★4ゴジラ-1.0(2023/日)独り逃げてきた特攻隊員が更なる災厄に見舞われる、ファーストコンタクトのアイロニー。 [review][投票(10)]
★4ハンガー・ゲーム(2012/米)そう言えば公開当時、ここでの評判をうっかり目にしちゃって侮っていたのだが、ジェニファー・ローレンスが弓引く姿を見たくなり拝見。ゲームに至るまでのキャラクター造形が丁寧で、リアリティーショーの反映などまだ古びた感じがしない。かなり楽しめた。 [review][投票]
★3嵐の中で(2018/スペイン)タイムトラベルものの急所たる親殺しのパラドックスを堂々自問するかと見せかけながら、結局は抒情で押し流すプロット。つまらなくはないのだが、演出はもっさり。そういえばこういうもっさり演出な横溝みたいなスペイン映画を数年前に見たな、死体が消えるで引っ張る…と思ったら、同じ監督や…[投票]
★3NOPE/ノープ(2022/米)子供じみた考証の痕跡がないと、どうももえない。 [review][投票]
★4西部戦線異状なし(2022/独)ダンケルク』が霞むような、がっぷり四つの高品質。戦争映画って息もつかせぬ展開ではなく、間だよなと思う。弾丸が、砲弾が、死が同化してくるまでの…。ただ、フランス兵との交錯の生々しさのあとで、農家少年のシーンはカットのスタイリッシュと演出の意図が鼻につき、以降がくどく感じられた。[投票(1)]
★4新感染 ファイナル・エクスプレス(2016/韓国)シナリオが強い。このジャンルが最も広くアピールする解が、これなのだと思う。マ・ドンソクさんの独壇場からスローモーション、老姉妹の化学変化に至る因果と人情のドミノが、傾く車窓に溢れ返る人外といったスペクタクルに彩られ、秀逸。ただ、ドラマの完成度がジャンルの可能性を狭める弊害は常にあるのだ。[投票]
★3Interceptor インターセプター(2022/豪=米)今般ドキリとさせられる設定もあってか、前半はそれなりに引き込まれたものの、柱を限定しての展開はプロットが夢見た大風呂敷をバジェットが削っていく過程が見えるようで、やがてはテレビ映画的安っぽさが横溢。セクハラモチーフも流行り便上に見えてしまう。なんか残念…映画って難しい。[投票]
★3タイラー・レイク ー命の奪還ー(2020/米)奪還からカーチェイス、マンションでの奮闘は、どうやって撮ってるのという圧巻の長回し。総じてドンパチは見応えあるので野暮は言いたくないが、麻薬王の息子ひとり救うために、ダッカ中の警官の子供がててなしごになったかもなストーリーはなんか座りが悪い。傭兵部隊の姉御は、最初からそれできなかったの?[投票]