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[コメント] 戦国自衛隊(1979/日)

現代ではうだつが上がらないこの短小も過去に戻れば巨根に早変わりというしょうもない劣情が「タイムトラベルして、刀の中に機関銃を持ち込む」というアイデアの根幹を成しているが、男である以上この観念を否定することは難しい。
kiona

初めて見た中学生の時分には、渡瀬恒彦が酒池肉林を成しているのを見て落胆したものだ。千葉真一が見せるダンディズムも現代社会から敗走した駄目男の粋がりとしか映らず、話も尻つぼみの印象だった。今や自分も大人になり、粋がりの奥に悲哀を見出すこともあれば、あの頃の感覚を幼かったと思うところもあるのだが、そもそもあの頃の自分はいったい『戦国自衛隊』に何を期待したのだろう。言うのも気恥ずかしいが、弱い奴が意地張ってかっこつけて死ぬかっこよさや悲哀ではなく、本当に天下を取ってしまう強い奴に憧れていたのだ。自分の無力に対する劣等感が、刀に対して機関銃、馬に対して戦車という反則に屈折した共鳴を抱いていたのだろう。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ジェリー ハム[*] 荒馬大介[*]

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