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水那岐さんのコメント: 更新順

★4居眠り磐音(2019/日)娯楽時代劇としてまずまずできている。殺陣も泣かせも自分としては大いに買いたいのだが、妖怪メイクで頑張る柄本明にもうちょっとしぶとくあって欲しかった。そして、残念なことに映画的なパースペクティブ、迫力が足りない。ラストのカメラの無欲ぶりはどうだ。これじゃ全く日テレの2時間時代劇じゃないか。 [review][投票]
★3ラスト・タンゴ(2015/独=アルゼンチン)タンゴという不可解な舞踏音楽は、月並みなジャンルの舞踏が愛情と好意をダンスの糧とするのに対し、むしろ憎悪こそが完成度を上げる要因となる不思議をともなう。マリア・ニエベスフアン・カルロス・コペスのパフォーマンスは軽蔑と呪詛によっていやが上にもキレを増す。芸術は得てして人間性と反目する、という事実は面白い。[投票]
★4初恋〜お父さん、チビがいなくなりました(2018/日)何と愛くるしい恋愛映画か。ただでさえ大御所の貫禄などとは別ベクトルで愛らしさを振りまく倍賞、そしてぶっきらぼうさの陰の小心さを隠しつつ妻の言葉に怯える藤のキュートさは筆舌に尽くし難い。山田洋次以外にも倍賞をここまで魅力的に描ける演出家の出現に驚かされる。猫好きでなくともふたりの名優に耽溺できるキュン死フィルム。[投票(1)]
★3ここは退屈迎えに来て(2018/日)あこがれの少年「椎名くん」に仮託された都会幻想、青春幻想。それが地方の若者たち全てに共有されるものではないにせよ、周囲への見栄や、無意識のナルシシズムは得てして人を焦らせるのか、と漠然と思わされる。 [review][投票]
★3ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―(2018/日)期待していなかったぶん愉しめる部分もあったが、これはむしろ大人向けじゃないか。「サムライエッグ」は親たる大人が心に刻み込むべき教訓だし、「透明人間」の孤独な青年がなぜ認識されないかは年齢を経て理解できるコトだろう。なかで最も分かりやすい「カニーニ」が絵の驚嘆のみに頼った空疎な一編と判れば価値あるポイントは明白だ。[投票]
★3わすれなぐも(2012/日)近頃はやりの画風でもあるが、そこは昔ながらの情の世界でほのぼのと終わるかと思えば少々辛口の怪異譚。短編なればこそ許される毒が効かされる。小ギャグでヒロインをいじったのは偽りの安心で客をたばかる予兆だったか。ただしブラックユーモアと呼ぶには、ドラマはまだまだ浅すぎる。[投票]
★4しらんぷり(2012/日)脚本家がいないのは、絵本を忠実に再現しつつそこに効果を付加しているからだろう。「僕」の心情や衝動は、劇半音楽の盛り上がりにも相まって「ドンチャン」を追い、そこにあった「絶望」に戸惑う。だが、彼の内面の激しさは全ての効果を突っ切って我が物になる。苛められた側の人間である俺は「ドンチャン」として悪童に牙を剥いた。一歩進んだ「僕」には昇華されなかったのが悔いだ。[投票]
★2いつも月夜に米の飯(2018/日)ヒロインは知識も機転もある。料理の腕や勘も大したものだ。そんなハイティーンが母親と恋人を取り合って恥じない。女性監督その人が、どんな女にも最終的には愛欲しか残らないとの諦念を明るく描くのはどうしたものか。惣菜それぞれにヒロインが出会う人々との挿話を絡める「ごはん映画」を期待したのが間違いだったのだが、料理そっちのけで恋愛成就に向かうプロットは監督らしからぬ事の矮小化だった。[投票]
★2バースデー・ワンダーランド(2019/日)世界観のトータルデザイナーは良いセンスで、今までの原恵一作品とは一線を画すものとの意気込みを感じたのだが、実際は「クレヨンしんちゃん」冒険譚の語り直しでしかない。せめて変奏曲と為すなら、監督お得意のギャグ演技をハイセンス人物に応用するテストは行われるべきだ。デフォルメ演技は児童映画にあっては重要な魅力付けだろうに。 [review][投票]
★3愛がなんだ(2018/日)愛に免疫のないヒロイン。周りの友人たちよりやめろと忠告され、他ならぬ相手から冷たく接されても愚直に恋人についてゆく。そんな彼女もさまざまな事件に遭遇し、立派におのれの信念をもって周囲に意見できるように成長した。だが、彼女の内面はラストで理解される。これはラブコメなどではなかったのだ。 [review][投票(2)]
★3いのちの朝(1961/日)じゃが芋ばかり描く画家が武者小路の私的投影に見え、ナルシシズムここに極まれりとつい嫌悪感が先に立った。それにしても50年余の世界の変容を大きく感じさせられる家族映画だ。今ならこのように妻を精神・肉体の両面で支配する亭主は吊し上げを食うだろうし、こんな暴君は名画家であっても許されないだろう。芦川いづみのみが清涼剤である。[投票]
★3多十郎殉愛記(2019/日)徹底したチャンバララストへ話を繋ぐため、至ってシンプルでありつつ無理もなくはない展開が熊切和嘉の補佐も得ながら演出される。主役高良健吾の目力やヒリヒリするような空気感を伴う演技はよかったが、肝心のチャンバラが残念ながら大味。特殊効果を避け実写の迫力を見せようとしたようだが、ハッタリもカメラワークも凡庸では退屈は免れ得ないのだ。 [review][投票(1)]
★3スパイダーマン:スパイダーバース(2018/米)画面は異常なまでに饒舌であり、アメリカのコンピュータアニメの極北を見せつけられる思いがある。だが、リミテッドアニメを模倣する日系少女や、全くのカートゥーン演出をなされるブタ戦士らの出演があるなら、リアルな周囲のキャラとの交流は不可能ではない筈だ。一見さんお断りではないが、ヘビーファン向けの仕上がり。マニアの悪ふざけめいたシークェンスは散見されるも許容範囲だろう。[投票]
★3麻雀放浪記2020(2019/日)観たあとには何も残らないプログラムムービーの末裔でしかない作品だが、2019年春の映画館で観ることで観客は現代に残された白石監督の爪痕を知ることができる。幸か不幸かこの国の善意溢れる大衆につるし上げられた「国民のオモチャ」たちの軌跡だ。 [review][投票(3)]
★4トゥーマスト ギターとカラシニコフの狭間で(2010/スイス)綺麗ごとの「自由と平和」を謳うのではない。自分たちの歴史と生活を鑑みて、苦渋のなかで得た民族の選択した哲学が「自由と平和」あっての生活なのだ。彼らだけではなく、押しつけられた支配者からの生き方をはねつけて哲学を貫く人々の生き方が腹にこたえる。とくに女性たちの、与えられた宗教のタブーをはねつけ力強く生を誇示する歌い方は圧巻だ。[投票]
★1まく子(2018/日)監督女史の悪ふざけは、吐き気をもよおすほどに酷いものだった。タイトロープ上の少年の大人への嫌悪は、中年女性の妄想でしかない小奇麗かつ非現実的なものだし、不思議ヒロインの正体がさんざ語られた前説を全く裏切らない、という無芸ぶりには呆気にとられた。小学生男子の時代を体験した観客の皆さんは、本当に欠片なりとも今作に共感を抱けたものか問い詰めたい。 [review][投票]
★2真白き富士の嶺(1963/日)手持ち式ではないカメラが素っ頓狂な方向に飛んでいったり、ズームアップが連続で多発するカメラワークの悪戯に驚かされるが、程なくそれは、極めて保守的な芸術祭参加作品のモノクロ画面に退屈を噛み潰すスタッフの遊び心の産物と気づく。幾度白血病に冒されたかわからない小百合のこの手の作品では異色だが、どうあってもマンネリから逃れられるわけではないのだ。[投票]
★3ぷかぷかジュジュ(2012/日)ちょっと不気味なのは、メタボのパパと普通体形のママがリアルな肉付きなのに、ヒロインの子が頭でっかちなマンガ体形だということ。子供は半ばファンタジー世界の住人だとか言うまえに、これはパパ向けアニメとしか思えないのだ。ジュジュの存在感のなさとパパの言い訳のリアリズムの対比。描画技法の巧みさとは別問題だろう。[投票]
★5BUTA(2012/日)個々のキャラクターの書き分けも見事な大冒険ものの片鱗。やはりこういう昔ながらの活劇は大人も子供も渇望しているものだろう。アニメがともすれば肩ひじ張った理屈優先の方向に流されそうな昨今、こういう問答無用な娯楽作品が顧みられるのは嬉しい。続編が望まれる快作。[投票]
★4ピンカートンに会いにいく(2017/日)監督・脚本の坂下雄一郎の手腕は見上げたものだ。これだけ激烈な嫌悪感をかきたてられる腐った女どもの群像劇を、自分はなんとも爽やかに見終えられたのだから。そしてそれに応えたヒロイン内田慈の毒吐きまくり演技も凄絶だった。この人のアドリブも加えたしゃべりの勘の良さといったらない。裏切られる快感に身を委ねる中編。[投票]