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水那岐さんのコメント: 更新順

★4ポンチョに夜明けの風はらませて(2017/日)いい加減な人生観測でこの世を規定する若造たち。彼らの行動の突拍子のなさには発端以後しばらく当惑を抱えさせられたが、やがて登場人物すべてのやさしいデタラメさに興が乗ってくる。このストーリーはガキの感性に図られたマヌケな疑似世界の物語なのだ。それを大人が批判するのはたやすいが、一時の青春の妄想につきあえば彼らのバカぶりは共感できるオトナの原体験とわかる。「あいつ誰」と笑われる少年の甘い夢だ。[投票]
★2HK 変態仮面(2013/日)ムロツヨシ安田顕の「所詮は学芸会」と舐めた結果のおちゃらけ演技に腹が立ってくる。こういうホラ話は徹頭徹尾元ネタに魂を寄り添わせ、かつ際立った真剣演技をもって演じなければ失笑すら誘われない。恋人の下着についた体液を嘗め、敵の顔面にしたたかに陰部を擦り付けずしてなにが変態か。少年漫画原作の壁を軽やかに飛び越えるだけの覚悟こそを期待したのだが。[投票(3)]
★4焼肉ドラゴン(2018/日)ブレヒト肝っ玉おっ母とその息子たち』が想起させられる。ジャパニーズ・ドリームという幻影を見ていることを強いられた在日韓人たちが負わされた負債は、この映画のなかでも目に見えて示されたものである。結局このホームドラマが表わすものは韓国人ではなく、彼らを搾取し続ける怒りに答えない「日本」であることに気づく。 [review][投票(3)]
★3愛の化石(1970/日)浅丘ルリ子は終始一貫して美しくクールでもあるけれども、高橋や田宮といった共演の男たちがどうにも生彩を欠いている。引き立て役を演ずるのにこうもつまらぬ演技に終わるのは自分が期待を寄せ過ぎたためなのだろうか。流れるプロテストソングやあちこちに覗くビアフラの写真群は、うがった見方をすれば演出家その人の「こんなメロドラマより社会派志向の一作こそを撮りたい」と思う心の反映か。[投票]
★3ニンジャバットマン(2018/日)脚本につきまとう制約はえらいものだったのだろう。意外性皆無の展開は米国からの縛りの強力さを物語る。だが、神風動画の作画はそんな同情を吹き飛ばすエキサイティングさだ。こういうアニメーションの使い方は、まだまだ日本の水準は他国を凌駕する。いつまでも世界の羨望の的であり続けるレベルを崩さないでもらいたい。 [review][投票]
★4万引き家族(2018/日)それはまるで、子供同士の秘密クラブのような。 [review][投票(7)]
★4スプリング、ハズ、カム(2017/日)柳家喬太郎が映画初出演ながら味わい深い演技。その他声優・コメディアンとしてのみ名がある演技者たちの協演はクラウドファンディング映画である事実を雄弁に語るが、もちろんそれは邪魔ではなく、むしろ一見さんには嬉しい出会いがあるだろうと思わせる。幻想の東京郊外は地方観客に誤解を抱かせそうだが、楽しげなアクシデント連発と平穏の日常はそれでも東京人の感涙をも誘うのだ。[投票]
★3終わった人(2018/日)ホームドラマの仮面を被りながらも、本作はまごう方なき中高年男性の足場を揺り動かすホラー映画として成立している。ことに原作者内館牧子の采配もあって、物語は妻に優しく夫に残忍である。しかし、鬼妻の影に怯えながらも夫は絶望に立ち止まることなく、最後まで運命に抗い続ける。これはこの作品をコメディから逸脱させない女性陣の陰謀であろうか。 [review][投票(2)]
★4BPM ビート・パー・ミニット(2017/仏)地雷の上のスキップというはた迷惑な遊戯を、自業自得のすえの愚行と笑う者がいる。だが、人間として逃れられない性愛という刹那の生き甲斐に残りの人生を賭けて悪いのか。合理的なディスカッションで寸暇を惜しむ彼らが敢えて愛に生きるのは、生きることの本質、なにが重要かを知っているからだ。そして、彼らは我らも踏みつける地面にも地雷がすでにあることを指し示すのだ。[投票(1)]
★4ラッキー(2017/米)この世から消え去ってしまうのが怖いから、人はこれから行く「天国」なるものをでっち上げる。主人公ハリー翁は、そんなもののない「無」のみが待つ有限の人生と折り合いをつける必要があることに納得している。だからラッキーは笑うのだ。 [review][投票(2)]
★3喜劇 “夫”売ります!!(1968/日)徹頭徹尾カッコつけの佐久間良子が鼻につく。自ら立ち上がった森光子には正当な人生の報酬が払われていたのだから、この話を「喜劇」として終わらせて欲しかった。 [review][投票]
★3アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017/米)酷薄で蓮っ葉なヒロインを表わすのが、大股開きに腕組みポーズであり喫煙なのだろうが、その魅力に突っ切るメソッドがあるならばそれはハッタリと偽悪ではないか。創作上の無責任な作為に走るならば、環境に歪まされた怪物を描けばそれは大きな傑作への道かもしれない、ともいえるのだ。スキャンダラスさを実話の枠から解き放つ危険性は判るものの、俗悪な事実改変もまた映画だ。[投票(1)]
★4機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星(2018/日)前回とはうって変わって戦争映画らしい場面構成。コミックスに忠実な展開ゆえ文句は挟めないが、若い観客の「これを前回に先回ししていたら…」という声が聞こえてきそうだ。でも、結局安彦ガンダムの映画化はここまでが限界だろう。 [review][投票(1)]
★3オー・ルーシー!(2017/日=米)恋情の不可思議な効果を、否が応でも見せつける演出が馬鹿にできない。寺島しのぶというすでに若さに疲れ恋を追うことをやめたような女は、恋の渦中にあってとろけ果て嫌悪感をもよおすような人格の変化を見せるが、場面によっては彼女が可愛らしくみえるシークェンスすらあることに自分は戦慄をおぼえた。それこそが恋の怪物化だ。[投票(1)]
★2わたしは、幸福(フェリシテ)(2017/仏=ベルギー=独=レバノン)ふてぶてしさ、というものが生きるために必要である状況下で生きるヒロインには、先進国のかつての女性たちのように微笑みを売り歩くかのような表情は必要ないのだろう。そのヒロインの行動を追うこのフィルムにあって、抑揚のないドラマは自分にとっては無表情女が手を下す些事の羅列に見え、エモーショナルな快感は得られなかった。そんなことはおり込み済みなのかもしれないが。[投票]
★2私は絶対許さない(2018/日)だらだら続く主観撮影シーンがいかにも素人じみている。そして性的虐待の問題提起のつもりが、「好き者ヒロインの自業自得」に見えてしまう監督のオトコ目線の不変も酷い。細部に目を移せば、隆大介の人のいいヤクザはいいキャラ。一方で佐野史郎に「こうした」役割をあてるのは十年一日のようで、安易なキャスティングが惜しまれる。[投票]
★4喜劇 大安旅行(1968/日)シリーズ第1作では、フランキーと伴淳は親子の関係。双方とも基本の演技を存分にこなせる身でドタバタを楽しげに演じている。この重層が喜劇の厚みを生み、スケベ親父の伴淳が機関士として仕事の鬼の顔を覗かせる。もちろんフランキーも情熱をもって仕事し、ときに妄想に身を委ねるのだ。この重みが物語の緊張を保持してくれたが、重すぎると判断されたのだろうか?今作後は見られなくなってゆくのが残念。[投票(1)]
★3パシフィック・リム:アップライジング(2018/米)特撮だけを眺めているならそれはそれで愉しい。オタク的な見方で観れば十分に堪能できるだろう。だが、「オタクが映画を創る」のは別に構わないにせよ、「オタクのために創る」という方法論でゆくのはどうだろう。もうすっかり先細りが見え始めているじゃないか。 [review][投票(2)]
★3夜明け告げるルーのうた(2017/日)人間の少年少女の描き方など魅力的なものがあるし、演出家の訴えたいことも掬い取れるのだが、そのスタイルが残念ながら独りよがりなのだ。だから大人たちの意識は薄っぺらだし、博愛の使徒である人魚たちも何を思い生きる存在かが判然としない。というより、湯浅政明の描きたいこと以外、例えば意味ありげに散りばめた伏線すら綺麗に回収できなければ会話で片付ければよい、と処理する体質が露呈している。[投票]
★3娼年(2017/日)情事場面が映像の1/2を占めるこの作品にあって、役者魂を見せつけたのは体当たり演技を見せた松坂桃李であったのだが、如何せん彼をめぐる女たちの抱える事情が平板。セックスを通じて少年の成長を活写するなら、もっと女たちの人生を滲ませた行為を見せるべきで、映画ファン主婦の顔を覆わしむる場面の連続であっていいはずだ。これでは生ぬるい。[投票]