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水那岐さんのコメント: 更新順

★4ミッドナイトスワン(2020/日)日本の『真夜中のカーボーイ』とおぼしき、愚かしくもゴシック美に溢れた同性愛者たちが辿る顛末。よもや草なぎ剛 が女を一作を通じて演じきれるとは思ってもみなかった。服部樹咲も立派に、女たちの愛を受け入れる「愛の器」を演じ切る。 [review][投票]
★3アニメーション映画 思い、思われ、ふり、ふられ(2020/日)残り物のちっぽけな幸せに魂を売り飛ばす、日本式忖度恋愛術のなんと愛らしいことか。ときどき台詞をユニゾンしたりして不気味さを醸し出すが、恋愛を友情のために諦める少年少女、まさしく仲良きことは美しきかな。アニメにする必然性を疑っていたが、この話で感動させるには様々な動画エフェクトはやっぱり必要だ。[投票]
★4海辺のエトランゼ(2020/日)日本のBL映画は、まだ切り口をアニメーションに求めることを妥当とすべきではないか。一般層に受け入れられそうな紀伊カンナの健康的なキャラクターは、BLというこの国のまだ馴染まないジャンルを受け入れさせる底力をもつ。淡々としたストーリーが家族映画としての円やかさを有し、嫌味をもたないのはやはりアニメだからだろう。[投票]
★3窮鼠はチーズの夢を見る(2020/日)行定勲の演出能力を疑うわけではないので、たぶんのめり込めないのは原作漫画のキャラクターが自分に合わないだけなのだろう。ボーイズラヴの役割付けである、「攻め」と「受け」が作為的すぎるということなのだが。 [review][投票(1)]
★3俺の背中に陽が当たる(1963/日)考えてみれば陰惨かつ悲惨な話なのだが、コミカルな演出や東京五輪以前の江戸っ子カタギの人々、さらにトボケた音楽でフォローに成功している。青春スター浜田光夫には小百合の清冽な浄化パワーは必要だったけれど、どうにか行く末に希望を取り戻すことはできた。やっぱりチンピラに堕ちきった浜田を見るのはいたたまれないのだ。[投票]
★4宇宙でいちばんあかるい屋根(2020/日)改めて桃井かおりの凄さを思い知る。この「血の通ったフィクショナルな老婆」という例を見ない存在の大きさはなんだろうか。そして、カメラマンの手腕の確かさもまた特記に値する。 [review][投票(3)]
★2閉鎖病棟―それぞれの朝―(2019/日)映画成立のための作為の映画、という印象が拭えなかった。「感情移入できるイイ人」「憎むべきワルイ人」また「救いようのない異常者」「憐憫すべき心を病むだけの人」の書き分けがハッキリで非常に判りやすいところに感情を導こうとしているところ。また、 [review][投票(1)]
★4大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇](2012/日)シリーズはこれで打ち切りだが、正直ゲテモノと見限った正編に較べるまでもなく、これは設定を空気のように呼吸した応用編としての秀作であった。自分の道を進むことに迷いを持ち続けた犬公方菅野美穂と、秘めた思いを隠し策謀に生きた堺雅人の恋は、異常な時代を受け入れてその中で花開いた。俗物西田敏行もアクセントに。[投票]
★3ステップ(2020/日)お話はおよそ凡庸な泣かせドラマなのだが、演技陣の奮闘ぶりで飽きさせない。山田はもとより、この優しいコミュニティの主である國村隼、控えめに近づいてゆく広末涼子はその演技で見せるが、そのサークルのなかで育ってゆく娘を表現した子役たちも見過ごせない。生意気で大人びた少女のスパイスは大いに物語の香気を彩ってくれた。[投票]
★3クレージーホース(1973/仏)これは恐らく、童子のように糞尿にまみれたひとつのキリスト物語なのだろう。カニバリズムやスカトロジスムの発露はあっても、構造上この物語は聖者を語る真面目な物語なのだ…少なくともアラバールにとっては。そして彼が戯曲で寺山修司に大いに影響を与えたという愛憎半ばする母への思いも作中に頻出する。これらを嫌悪するか否かで作品の評価も左右されるだろう。[投票]
★3死よ、万歳(1971/仏)汚濁と酸鼻のイメージに満ち満ちた、幼き日のアラバール少年のまったく瑞々しくはない青春物語。露悪趣味のなかに不思議なユーモアの漂う作風は粗削りだが、それなりの魅力に目を追わしめる。悪ガキらしい妄想は愉快だが、凄惨なシーンもあるので鑑賞は自己責任のもとにされたい。 [review][投票]
★3大怪獣モノ(2016/日)時節ネタ満載で自分が観た時点では賞味期限を過ぎていたらしく、本気で脱力するネタばかりだった(スタップ細胞、シーシェパードなど)。毒蝮のラジオも週一回に縮小され、引退も間もなくだろう。ただ、じじい俳優の活躍は著しく、真夏竜の恥を捨てきった演技には感動した。プロレスファンだったらもっと楽しめただろう点は残念。 [review][投票]
★3浮浪雲(1982/日)漫画には漫画の、映画には映画の文法があるのに、それを一括りに演出しようとするからおかしな事になる。映画を貫く場面(村野守美の入魂の竜馬暗殺シーン!)は今でも新しいのに、それと同じことを当時のリミテッドアニメで描く子供たちのギャグシーンに応用する愚。長回しとは場面の隅々まで動く実写ならではの切り取りにのみ許された手法なのに。[投票]
★2君が世界のはじまり(2020/日)ブルーハーツは好きではない。いろんな意味でただの童謡だからだ。この物語は全方位に攻撃態勢を崩さない先鋭的に見える高校生たちが途方に暮れることを大人に強いる恐怖譚にも見えるが、彼らを癒すのがつねにブルーハーツだというので底が見えた。彼らもまた核は保守的で昔日の不良となんら変わらない「子供」でしかなく、肩透かしであった。[投票]
★3ハニーボーイ(2019/米)ノア・ジュープの魅力、というところに尽きるのだろう。親と子の物語としては掘り下げに足りず、よくある「ヒューマンドラマ」という奴に堕している。嫉妬というのは人間の弱さの発露として印象的なモデルたり得る感情だけれど、それが見つめ合ううちに双方に理解されるプロセスは凡庸。実話の総てがフィクションを凌駕するわけではない、という当然の事実の証明。[投票(1)]
★2薄暮(2019/日)美術のみは出色の出来だが、脚本と作画が壊滅的に酷い。ロマンティストを自負するオヤジが書き上げたような古風で陳腐な少女の独白の羅列。それを口にする記号的でナマの魅力のないキャラクターの無残さ。下着を脱ぐシークェンスだけの熱の入りよう。つくづく無様だ。震災後の福島を描写する作品をここまで「自分らしく」捻じ曲げる神経はほんとうに解せない。[投票]
★3聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY(2014/日)かなり目立つ語り直しは、どういった年齢層にターゲットを絞っているのか容易に理解できる。沙織を主役に据え、ももクロメンバーに声をあてさせるとは何事かと思ったら、等身大の普通の少女にメンタルを書き換えていたわけだ。これは正解で、まごう方なき逆ハーレム映画となって少女観客には感情移入しやすい設定となった。むしろすがすがしい。[投票]
★3性の劇薬(2020/日)監禁と調教を続けていたならそれなりの意味も生じたかも知れぬが、謎の男の正体が明らかにされ、物語の主軸が見えた時点で大いにシラケさせられる。男同士だからこその新鮮さであり、どちらか一方を女にしたなら、容易にこの話の陳腐さは明らかになるだろう。これは原作の限界なのだろうが。[投票]
★3ゲルニカの木(1975/仏=伊)明確に破壊勢力と協力するカトリックへの憎悪をこめて、磔刑像への放尿はおこなわれマリア像は精液をぶちまけられる。だが、監督アラバールはクリスチャンなのだ。ここには、「キリストはキリスト教徒ではない」という複雑な欧州人の思いが厳然と存在する。 [review][投票]
★4詩季織々(2018/日=中国)新海誠映画スタッフの緻密な絵による印象の強さが感慨を支配する作品。「陽だまりの朝食」などは完全にそれに依るところが大きく、ビーフン料理の旨そうなヴィジュアルなしには興味を削がれただろう。 [review][投票]