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水那岐さんのコメント: 更新順

★3長髪大怪獣 ゲハラ(2009/日)所詮は「大人のお遊び」である。だが、この「大人の」であることが重要であり、『ギララの逆襲』等較べるにも価しない手間とアイデアと金がつぎ込まれていることが理解できる。財源があることが重要なのではなく、お遊びを真摯に遂行する志こそが求められるものなのだ。 [review][投票]
★1シャタラー(1987/伊=日)吉川晃司のアイドル映画だったが、製作者の急死とともにヴァレリー監督に脚本を大幅に書き換えられ、B級マカロニアクションへと変わり果てた一作。血なまぐさい殺人と双方の卑劣な応酬が目立ち、それをつなぐダレた演出が画面を追う気力を奪う。でも、こうした試練を潜り抜けた吉川が、演技を真剣に考えるようになったことを考えれば、全く意義のない駄作とも言えない一作ではある。[投票]
★2パパはわるものチャンピオン(2018/日)お父さんのバックドロップ』の再来かと思えば盛り上がりのない平坦な一作。本物のプロレスシーンを活かせば、ドラマの多少のアラはカバーできるとの狡猾なアイディアではやっぱりストレスが溜まる。それだけではないのだ。 [review][投票]
★4判決、ふたつの希望(2017/レバノン=仏)たとえば国家のようなシステムに比べ、われら人間は脆弱である。ほんの些細なアクシデントから生じた憎悪と断絶は激しいものでありながら、実はすべての断層を埋めてしまうことばすらあればお互いを認めるまでの抗争は永続するものではない。永久に攻撃をやめない怪物のようなシステムに拮抗し得る個人の思いを記すならば、それはやがて明らかにされる、大規模システムこそが為し得る暴虐への怒りだ。[投票(1)]
★3マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー(2018/米)アマンダ主導の物語ではいかにも弱く、事情によりメリル・ストリープの登場しない前半では奔放で表情過多な「若きドナ」リリー・ジェームスが目立つのは役柄ゆえだけではない。ストリープに似ていなくてもこの表現力は大した財産だ。ドナの親友たちの芸達者さも素晴らしく、彼女らあっての「もう一丁行ってみよう(原題)」とも言えそうだ。 [review][投票]
★4幼な子われらに生まれ(2017/日)人が人との暮らしをもつというのは、畢竟後悔の積み重ねか。そんな認識におとなが敗れるのは、後悔し続けた暮らしそのものに後悔したときだろう。宮藤官九郎寺島しのぶも、その事実に敗北しながら決して醜いばかりのろくでなしではない。「家」制度の滅びとともに、家庭には居づらい人々が顕在化し続けているだけなのだから。 [review][投票(3)]
★4劇場版 はいからさんが通る 前編 〜紅緒、花の17歳〜(2017/日)大和和紀とは似て非なる西位輝美の絵柄にキャラを移行させ、あえて古典的少女タッチからデッサンを重視する少年漫画的要素も織り交ぜた絵としたことで、キャラの運動性に拍車がかかった。大時代的メロドラマの骨子を崩さず、それでも現代の観客に古さを感じさせない魅力を持ち込めた理由はそれだろう。大急ぎの展開も笑って許せる。[投票]
★4ペンギン・ハイウェイ(2018/日)「動き」の面白みを前面に押し出したスペクタキュラーな見せ場は、あるいは「ただのジブリのエピゴーネン野郎」と石田祐康を呼ぶ誘惑に人を駆り立てるかもしれない。だが、若く柔軟なスタイルは見逃してはいけない特性だろう。そして作家的には決して教条主義を奉じるクソマジメ男ではなく、健康的なエロスの誇示もする作家性には好感がもてる。 [review][投票(1)]
★3心が叫びたがってるんだ。(2015/日)発端と結末のアンバランスさが座り心地を悪くする。王子様話で最初から浮きまくっているヒロインを肯定するならばそこから脱出する「浮き」の終焉で話を閉じるあたりでいい。生臭い女のニオイを発するにはまだ早いだろう。野球部男の純朴な心持ちがなければ単なる俗人の爛れた関係物語にまで暴走してしまうのだ。こんな若者たちでは愛せない。[投票]
★2未来のミライ(2018/日)ロマンより現実の充足を求めるイマドキの主婦のみに向け発信されたこの作品を、事もあろうに子供連れで観に来る親の少ないことを祈る。ご都合主義の時間遡行によって育児に勤しむ親たちの苦労はいとも簡単に癒され、過去や未来の家族たちが長男を親思いに教育してくれることで親たちの失策もスルリと回避される。もはや長男の声が幼児のものとは思われないミスキャスト問題など、この粗雑さの前には霞んでしまうほどだ。[投票(4)]
★4夜は短し歩けよ乙女(2017/日)総ては森見登美彦の蘊蓄によりもたらされた快楽であり、その点を無視してはいけないのだろうが、俺の内部にあって湯浅版『DEVILMAN』の悦楽の裏で俺を遠ざけた拒絶感は、他ならぬ湯浅政明のこの佳作により瓦解したことはうなずけた。なるほど、これは湯浅作品の神髄だ。原作未読ではあるが、アニメの基本的なムーヴィングと蘊蓄に伴うプリミティブな楽しさにおいて、この料理人の腕なくして本作は成功しなかったろう。[投票(1)]
★3打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(2017/日)「佳境」に入るにつれヒロインの描写が濃厚に、妙にエロティックになってゆく。そして物語は現実感を放り捨てて異形と化す。だが、幻想世界に没入するならアニメ的表現での生々しさにはもっと拍車がかかるべきだった。何故なら展開の丸投げというある意味での「逃げ」をうつなら、せめていびつな疑似現実のみでも保つのが映画製作者の誠実さであろうからだ。[投票]
★1ひるね姫 知らないワタシの物語(2017/日)絵が綺麗なこと以外どこを褒めればいいのだろう。物語における実質的な主人公も、異世界の夢とやらが何の意味を持つかという疑問も、果たして老若男女のどの層を対象にした作品なのかも皆目わからない。美少女とロボットを出せば喝采が一部の層から得られると未だに思っているのか。こういう下衆クリエイターこそ邦画界から放逐されるべきだろう。[投票(1)]
★4ポンチョに夜明けの風はらませて(2017/日)いい加減な人生観測でこの世を規定する若造たち。彼らの行動の突拍子のなさには発端以後しばらく当惑を抱えさせられたが、やがて登場人物すべてのやさしいデタラメさに興が乗ってくる。このストーリーはガキの感性に図られたマヌケな疑似世界の物語なのだ。それを大人が批判するのはたやすいが、一時の青春の妄想につきあえば彼らのバカぶりは共感できるオトナの原体験とわかる。つねに「あいつ誰」と笑われる少年の甘い夢だ。[投票]
★2HK 変態仮面(2013/日)ムロツヨシ安田顕の「所詮は学芸会」と舐めた結果のおちゃらけ演技に腹が立ってくる。こういうホラ話は徹頭徹尾元ネタに魂を寄り添わせ、かつ際立った真剣演技をもって演じなければ失笑すら誘われない。恋人の下着についた体液を嘗め、敵の顔面にしたたかに陰部を擦り付けずしてなにが変態か。少年漫画原作の壁を軽やかに飛び越えるだけの覚悟こそを期待したのだが。[投票(3)]
★4焼肉ドラゴン(2018/日)ブレヒト肝っ玉おっ母とその息子たち』が想起させられる。ジャパニーズ・ドリームという幻影を見ていることを強いられた在日韓人たちが負わされた負債は、この映画のなかでも目に見えて示されたものである。結局このホームドラマが表わすものは韓国人ではなく、彼らを搾取し続ける怒りに答えない「日本」であることに気づく。 [review][投票(3)]
★3愛の化石(1970/日)浅丘ルリ子は終始一貫して美しくクールでもあるけれども、高橋や田宮といった共演の男たちがどうにも生彩を欠いている。引き立て役を演ずるのにこうもつまらぬ演技に終わるのは自分が期待を寄せ過ぎたためなのだろうか。流れるプロテストソングやあちこちに覗くビアフラの写真群は、うがった見方をすれば演出家その人の「こんなメロドラマより社会派志向の一作こそを撮りたい」と思う心の反映か。[投票]
★3ニンジャバットマン(2018/日)脚本につきまとう制約はえらいものだったのだろう。意外性皆無の展開は米国からの縛りの強力さを物語る。だが、神風動画の作画はそんな同情を吹き飛ばすエキサイティングさだ。こういうアニメーションの使い方は、まだまだ日本の水準は他国を凌駕する。いつまでも世界の羨望の的であり続けるレベルを崩さないでもらいたい。 [review][投票]
★4万引き家族(2018/日)それはまるで、子供同士の秘密クラブのような。 [review][投票(9)]
★4スプリング、ハズ、カム(2017/日)柳家喬太郎が映画初出演ながら味わい深い演技。その他声優・コメディアンとしてのみ名がある演技者たちの協演はクラウドファンディング映画である事実を雄弁に語るが、もちろんそれは邪魔ではなく、むしろ一見さんには嬉しい出会いがあるだろうと思わせる。幻想の東京郊外は地方観客に誤解を抱かせそうだが、楽しげなアクシデント連発と平穏の日常はそれでも東京人の感涙をも誘うのだ。[投票]