★3 | 雨の中に消えて(1963/日) | 石坂洋次郎作品では、キャラクターはいつもセックスについては頭でっかちだが行動はオクテの態度をとってしまう。吉永も例にもれずそのキャラだが、いささか可愛らしすぎてカマトトに見えてしまう。この映画では比較される立場にある笹森や十朱も、彼女の反面的分身であるところに存在の弱さがある。 | [投票] |
★3 | ろくでなし(1960/日) | 太陽族もどきの青年、津川雅彦の虚無的で気障な青春。それに惹かれてゆく女も、ともに享楽に耽っていた愚連隊も、いや、登場人物の全てが皮肉屋であるという自己愛宇宙。これに感じた苛立たしさは尋常ではないが、最後だけは格好良く締められたようだ。十年後に映画界を占拠する不潔な青春は、少なくともここにはない。 | [投票] |
★3 | 午後の曳航(1976/日=英) | イギリス作品であることに、偽悪的な少年グループはよく似合うのだけれども…船員クリストファーソンは明らかにミスキャスト。やはり、船員は三島本人が演じ、精一杯のマドロス気取りで決めて欲しいものだった。 | [投票] |
★3 | にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻(1973/日) | 田中邦衛VS.市川翠扇の存在感と侠気が目を奪って飽きさせないが、残念ながらシリーズ化前提のストーリーテリングの弱さが目立つ(ラストは明らかに第3弾を期待させるつくりである)。やはり邦衛の本職ヤクザを前にしては、我らが三銃士も顔色なしのていたらくだった。 | [投票] |
★3 | にっぽん三銃士 おさらば東京の巻(1972/日) | 何者かと闘うことによって生き甲斐を得ていた世代への子守歌のように自分には見える。もはや戦無派の全共闘世代でさえ、自分にとっては感情移入の対象外である。三人のなかにシラケ世代、オタク世代が入り込んだなら、この話は成り立たない。良くも悪くも「時代」の映画である。 | [投票] |
★3 | 若い娘たち(1958/日) | 全盛期の雪村いづみはこの程度の魅力だったのかといささか意外。知性派の水野久美に較べたら二段も三段も劣る。やはり喜八は年頃の娘の描写は苦手か。妹役笹るみ子の口癖、「すっげえ」は何とも可愛らしいが(いや、今の若いコが言っても可愛さもクソもないんだが)。同じ原作なら吉永小百合の『こんにちわ20才』をやはり推したい。 | [投票] |
★3 | ペッピーノの百歩(2000/伊) | ルイジ・ロ・カーショはかなりいい役者であるだけに、主人公の役作りをもっと深く掘り下げてやって欲しかった。実話ゆえに限界はあるのだろうが、これでは甘っちょろいお坊ちゃんの反逆だ。彼の苦悩や怒りはこんなものでは済まなかった筈だ。 | [投票] |
★3 | 波浮の港(1963/日) | 有名な流行歌の映画化だが、なぜこの時代ですら古いこの歌を映画化したのか判らなかった。結局、港のある大島という閉鎖空間のなかでしか描けない悲恋を演出したかったからと判るが、そうまでして何故悲恋を描きたいのか、との思いは残る。ラブシーンで恋愛論をぶつけ合うあたりが当時の日活映画らしくて妙味がある。 | [投票] |
★3 | よさこい旅行(1969/日) | いつもと違って、フランキーと倍賞は最初から夫婦同士。それゆえ掟破りの序盤ではあっても安心して画面を見ていられる。駅員の職務を果たすため危険を冒す場面があるのも、この作品ならでは。 | [投票] |
★3 | 竹山ひとり旅(1977/日) | 林隆三を主役に据えたのは、ありがちな過剰な悲哀感を排して正解だったと思うのだけれど、いくら新藤作品の常とはいえいつまでも付きまとう乙羽信子が鬱陶しい。その存在がボサマとしての主人公の旅の意味さえ吹き飛ばしてしまったような気がする。 | [投票] |
★3 | 恋する幼虫(2003/日) | 「行為」はセックスの象徴、この映画は「童貞力」の産物。それゆえに成立している一種のロマンス…ということで良かったのではないか。なにも説明せずとも良いだろう。 [review] | [投票] |
★3 | 満願旅行(1970/日) | 団令子はクールな印象で、フランキーを追い回す押しかけ女房役には不似合い。彼女の濃さのせいで、すっかり影の薄くなる香山美子は可哀想なほど。襲い来る熊や傾くバンガローはちょいとやり過ぎ。 | [投票] |
★3 | ピグマリオン(1938/英) | 換骨奪胎した『マイ・フェア・レディ』よりはずっとバーナード・ショーらしい。皮肉屋の面目躍如。しかしレスリー・ハワードは徹頭徹尾すべての他人を見下した下衆野郎であり、その意味で愛せない作品ではある。 | [投票] |
★3 | 縁結び旅行(1970/日) | 実際、金井克子と野添ひとみのどちらが魅力的かには個人的嗜好が入って来ざるを得ないのだが…。 [review] | [投票] |
★3 | ソドムの市(2004/日) | ホラーというか完全なギャグ。どこが18世紀の日本やねん!誰が10歳の子供やねん!「カツ丼3つ!お勘定!!」…これが狙っているのでなく、自然ににじみ出てくるものならなあ…。 [review] | [投票] |
★3 | ここに、幸あり(2003/日) | 素材は悪くないが、バランスが良くないのでは。いわゆる癒し系の話だとは判るのだが…。 [review] | [投票] |
★3 | 何もかも百回も言われたこと(1993/日) | きわめて淡々とした画面だが、生活の一部を切り取る手腕は確かである。シジジーズの音楽は良い。それと、おしゃべりの中で印象に残った言葉→ [review] | [投票] |
★3 | 魚河岸の女石松(1961/日) | ひばり映画で父子生き別れものはどれだけあるのだろう。そういうパターンにはもう飽きてしまったし、ヘナヘナの娘言葉も願い下げだ。やはりタイトルよろしく、石松ばりの啖呵で最後まで通してくれなくっちゃ。健さんも今の不器用ぶりより、この頃の軽妙さの方がずっといい。 | [投票] |
★3 | ラマン(2004/日) | 三人の芸達者がカバーできないくらい、安藤希の演技力の貧困さは痛々しい。だが彼女に敢えて素の声で喋らせることによって、廣木隆一監督は一種硬質で面白い空間を生み出すことに成功している。ただし、三人の遊戯的空間に話を終始させることに主眼を置いたほうが、映画としては求心力を得られたのではないか。 [review] | [投票] |
★3 | にがい米(1949/伊) | 田植え歌で憂さを晴らす田植え女たち。こういうのは世界普遍なんだね。米に魂が宿るのも日本とは変わらない。…でもグラマラスで強面のお姉さんたちは、日本人の俺はちょっと苦手だ。 | [投票] |