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水那岐さんのコメント: 点数順

★4かたつむり(1965/仏)登場人物の表情はすでに死んでいる。死相を浮かべた人物が改めて悲惨な運命を辿ってゆく、たまらない絶望感と寂寞感。これを観て笑えるほど小生はシニカルでもありません。[投票]
★4吶喊(1975/日)んだなや、イグサ(戦)のおんもしれェトゴロさゆうたら、砲弾ビュンビュン飛んでくるトゴロでオナゴの柔肌さ抱いで、オノレの縮こまったキンダマに未来のワラシ子さたっぶり充填されでるのを実感するコドだっちゃね〜。嘘だ思うならやっで見れ、このホデナスがァ。[投票]
★4サン・ロレンツォの夜(1982/伊)戦争というと、今の日本人は大量爆撃を思い浮かべるのかもしれない。家や村で家族が殺された経験のある者はごく僅かだろう。むしろ隣人が信じられる世の中であってほしい。顔の判らない人間に殺されるより見知った者、言葉が通じ合う者に殺される現実のほうがより辛い。 [review][投票]
★4サラーム・ボンベイ!(1988/英=インド=仏)世界最悪の都に生きる「不幸」。でも主人公は、それを不幸と感じない。売春、麻薬、窃盗、殺人、総てそこらへんに転がっている。親を頼ることが許されない以上、正義の規範はつねにおのれの腹の内だ。主人公は地雷原をスキップする毎日を強いられているが、間違っても俺たちの涙なぞ彼は必要としていない。[投票]
★4ぼくの瞳の光(2001/伊)宇宙服の中から外界を見るような感覚で女に近づく男と、リアルの真っ只中に身を置いて何も信じられず拒絶する女。ふたりは様々な人やモノの助けを借りながらおずおずと接近してゆく。それは我々の国にもあるような、現実に立ち向かうことに勇気が必要になるような邂逅だ。[投票]
★4父、帰る(2003/露)事前知識など入れずに勝手に解釈するが、この父親は案外普遍的な父親像なのではないかと見た。男親を見る男児の大部分が感じるアレゴリーだ。なぜなら、 [review][投票]
★4天上草原(2002/中国)女性監督らしい細やかな描写と、思いがけず展開されるスペクタキュラーな映像表現の共存。 [review][投票]
★4ガールフレンド(2004/日)女同士の恋愛に似た友情を描いて結構爽やか。セックスすらも突き抜けてしまいそうに彼女らの繋がりは深く、いとおしい。廣木監督は嫌いな部分もあるのだが、こと女を描かせれば妄想の介在しない、等身大のおんなを描ける人じゃないかと感ずる。[投票]
★4喜劇 団体列車(1967/日)コメディとしては手堅いまとまり。タイトルの団体旅行はおざなりながら、根は真面目な四国駅員の男ぶりを描いて飽きさせない。当たり前ながら、ドラマの全てのケリがついているのは評価すべきこと。[投票]
★4苺の破片(2004/日)自分はこの点をつけたが、漫画描きでない皆さんは、この「普通に」わがまま勝手である漫画家を見てどう感じられたかをお聞きしたい。カルーセル麻紀の「あんたは我が身を削って新しいモノを生んでくのが仕事でしょ」とのセリフが、やけに骨身に沁みた。 [review][投票]
★4悪い女 青い門(1998/韓国)家の中のひとつの異物に、生活費を賄ってもらっている家。同じ年頃の娘は、その女を蛇蠍のように忌み嫌う。だが、彼女がいなくなっては困るというジレンマ。いささか教訓話めいてはいるが、娘たちが口を閉じても流れ出づるつぶやきはこちらの胸にも響いてくる。それは命をもった言葉だ。[投票]
★4赤穂城断絶(1978/日)レヴォリューショナル侍集団、柳生一族に続いて謀反に出奔す!脂の乗り切った深作、今回も表立って見せはしないものの、権力そのものに背く赤穂浪士を演出し切った監督魂に拍手。吉良など問題ではない諸悪の権化、丹波哲郎の素晴らしき権力者ぶり![投票]
★4幕末残酷物語(1964/日)ラスト近く、大川橋蔵藤純子の求め合う手が、さながらシスティナ礼拝堂天井画の神とアダムの伸ばしあう手そのものに固まるカットが絶品。この毒々しい血の奔流は酔狂で流されたものではない。新撰組の本質を白日のもとに暴き出すものに他ならないのだ。[投票]
★4人間(1962/日)都会的なモダンジャズに乗って、日本ならではのアニミズムに裏打ちされた土俗的な寓話が展開される。勧善懲悪の神は信ずる者を助け、邪な者に鉄槌を下す。海はさながら荒ぶる神の教えを生んだはるか西方の荒野であり、人智の及ばざる神秘を秘めているようだ。[投票]
★4変身(2002/露)グロテスク・ビューティの漸次的な消滅。今時の若者なら『ザ・フライ』を通り越して、『スパイダーマン』の物真似を演じていると見るような現代のグレーゴル・ザムザは、衰弱することでその「愛らしさ」を減じてゆく。 [review][投票]
★4ラブドガン(2004/日)あまり期待しないで観た分、キッチュで古風な道具立てが気に入って結構観られた。岸辺一徳が何ともいい味。 [review][投票]
★4修羅(1971/日)堕地獄忠臣蔵。血の海に沈む蛆虫たちの、怨嗟の声がリフレインする。 [review][投票]
★4クリビアにおまかせ!(2002/オランダ)群舞シーン、笑わせ所、ホロリとさせる所が適度に散りばめられていて好印象。主役のルス・ルカよりも、憎まれ役のパウル・コーイに熱演賞を贈りたい。このヒト、本国でも実力派コメディ俳優で通っているのではないか…と思わされる腕前。[投票]
★4不射之射(1988/中国)川本喜八郎の人形の、真に迫る顔相に唸る。人形アニメーションとしてはこれ以上のものはあろうが、その造形の東洋の魂に感じるところが大きい。[投票]
★4結婚の条件(1963/日)浅丘にとって、アイドルから演技派に脱皮してゆく途上の作品。恋に思い悩みながらも、義兄と彼の大事に思う女を暖かく見守り、お節介すら焼く姿は若い彼女ならではの愛らしさ。まだ少女の香りすら感じとれるほどだ。[投票]