★4 | どっこい生きてる(1951/日) | 戦時中は皆に従っていれば、生きてゆくこともでき、できなければ不運と諦められた。この時代は自分の努力と狡猾さが生きてゆくために不可欠な時代だ。もともとそんな性質に無縁だった主人公の目には、成功か破滅かしか見えてこない。河原崎長十郎の目は何かに憑かれているかのように悲壮だ。 | [投票] |
★2 | あなたと私の合い言葉 さようなら、今日は(1959/日) | 薄情そうな役に棒読みセリフの若尾文子がぴったりフィットしすぎて、これは心底から薄情な女かと見えてしまう。エモーショナルな京マチ子らに支えられていなければ、さあ、どうなっていたことか…。 | [投票] |
★3 | 原子力戦争 Lost Love(1978/日) | 正義と悪とをはっきりと分けて描くことで、物語自体がお伽話のようになってしまっている。事が現実に存在している組織のことであるがゆえに、尚更である。 [review] | [投票] |
★3 | いつも心に太陽を(1967/英) | 集団版『マイ・フェア・レディ』との観もあるが、市井のおっさん・おばちゃんが好感のもてる存在であることを踏まえた上で、ポワチエは世渡りができて初めておのれの意見が言えることを教えたかったのだろう。イギリスという土地で彼がいかに辛酸を舐めたかが反映された教育ということだ。 | [投票] |
★2 | 乳房(1993/日) | 時間が前後に大きく移動するのが判り辛く、セックス描写がかなり露骨なのに正直引いてしまった。ファンタジーの中の存在として観れば及川麻衣は綺麗なのだが、男にとって都合のいい女であるとの観は否めない。 | [投票] |
★3 | MUSA −武士−(2001/韓国=中国) | 東洋的負け戦の美しさ。剣や槍の重さとともにずっしりと心に覆い被さってくる。鷺巣詩郎のナンバーはそれなりに聴かせるのだけれど、この映画からは浮きまくっていたような感じはあった。 | [投票] |
★3 | 雲ながるる果てに(1953/日) | 画面を眺めるにつけ、真っ直ぐに国を思って死んでいった若者たちの真剣さが胸に迫る。と同時に、そんな若者たちを消耗品のコマとしか考えていない上層部の腐敗をも直視せずにはおられない。この図式はいつでもこの国に存在したものだ。 | [投票] |
★3 | 猿飛佐助(1955/日) | あくまで戦嫌いの女好きを貫くフランキーの潔さ。女については優柔不断さが気になるものの、戦いにおいては殺陣さえ拒む。ラスボス五右衛門との戦いが、マヌケなチャンバラごっこになっているのは笑える。 | [投票] |
★1 | スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ(1962/日) | サラリーマン喜劇として観て、どうしようもない大愚作。東宝の「無責任シリーズ」に先駆けてブームを巻き起こそうという腹だったようだが、この女優陣の見るも無残な華の無さと、観ていられなくなる説教臭さには閉口。こういう映画は「ご同輩、堅実に行きましょう」なんて言葉が聞きたくて観るもんじゃない。一時の夢に浸りたくて観るもんだ。 | [投票] |
★2 | 裸の大将放浪記 山下清物語(1981/日) | いささか説教臭のする構成。天性のユーモラスな人格を描写するだけでも良かったのではないか。 [review] | [投票] |
★2 | 僕は天使ぢゃないよ(1974/日) | 白黒テレビ世代の俗流寺山世界。「びんぼう」あたりのミュージカル的味付けは面白かったが、それぐらい。自分の曲「赤色エレジー」くらい魅力的に演出できないでどうする?これでは林静一のアニメーション映画にでもしたほうが、まだ見られたと思われるような出来映え。 | [投票] |
★3 | 太平洋のかつぎ屋(1961/日) | チキンランや殴り合いで育まれる国際的「番長」式友情の世界。宍戸錠は外人たちに見せ場を取られっぱなし。マジな話、居候の混血児「タロウ」にもスポットを当てて欲しかったが…。特撮はちょっとお粗末な出来だった。 | [投票] |
★4 | 斬る(1968/日) | 仲代達矢はサムライ退屈男。高橋悦史にサムライ人生のくだらなさを説き続ける。しかし中村敦夫や岸田森の人生には華があり浪漫がある。そこらを超越した気分にはなるなよ、仲代。 [review] | [投票] |
★3 | 地獄の祭典(1963/日) | 両目に強い酒をぶっかけて、一時的に視力を奪う拷問…知らなかった技だったが、かなり痛そうだ。それにしても、あんな格好で最果てから現われた宍戸錠が、きっちりカッコ良い活躍を見せる快感!これは余人にはマネできまい。 | [投票] |
★3 | 潮騒(1964/日) | 吉永が何がなんでも胸を隠すのは、却って想像力がかき立てられて心地よくもある。概して海女の小母さん連中の団結力が強いのも、時代ゆえか。しかし結局無難な恋愛ものしか撮れない森永健次郎作品であり、いまひとつ煮え切らない。 | [投票] |
★4 | クレープ(1993/日) | 父親であるからこそ、年頃になるまで逢うこともなかった娘との会話は嬉しく、かつ疲れる。予定した会話がそれほど盛り上がらなかったり、思わぬ共感の対象を発見したり。それは恋よりも繊細さを求められる作業なのかもな、と子供のいない俺は思う。 | [投票] |
★2 | ひかりごけ(1992/日) | ひかりごけによる「光背」を、何か船長と同じ罪を犯した人間の象徴として描いているのだろうか?例えば軍国主義による殺人のそれのような…。だとすればそれは船長の行為に対する贔屓目でしかない。 [review] | [投票] |
★2 | 風の慕情(1970/日) | 石坂浩二の胡散臭さに代表されるように、全てが嘘とペテンに塗り込められたような作劇は、自分を少しも酔わせてくれない。吉永の若さ、美しさがまだ失われていなかったことが唯一の救いだった。 [review] | [投票] |
★3 | 拳銃無頼帖 不敵に笑う男(1960/日) | 「不敵に笑う男」は赤木より宍戸に相応しい言葉。これは宍戸錠の活躍を楽しむ映画だろう。そしてまだ日活の空気に馴染まないのか、吉永がお人形のような演技しか見せられなかったのが残念。 | [投票] |
★2 | あいつと私(1961/日) | ブルジョアジーのあからさまな愉しみ、と言うか、恥知らずな愉しみと言ったものか…。 [review] | [投票] |