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水那岐さんのコメント: 投票数順

★3椿三十郎(2007/日)監督・森田芳光には、彼だけが描ける『椿三十郎』を書き、撮って貰いたかった。黒澤が三船のためだけに書いたシナリオを使ったことで、それをもって森田をくさし、主演の織田裕二をあざけるのは、ある意味ナンセンスだ。 [review][投票(4)]
★2Little DJ 小さな恋の物語(2007/日)今までここまであざとい泣かせ物を観たことがない。初々しい恋での泣かせ、難病での泣かせ、そして70年代ノスタルジーの泣かせが渾然一体となり、暴力的に観客の涙を搾り取るフランケンシュタインの怪物的作品と化してしまった。 [review][投票(4)]
★3黄色い涙(2007/日)永島慎二の漫画から、ドラマ化を経て実現した映画化作品。作品としては手堅い出来であり、のメンバーの熱演も著しく、ひとつの世界を完成させている。だが、自分から観る限りこの作品は淡々とし過ぎていた。自分の求める「映画」がここにないと知った時点で、これは単なるノスタルジーフィルムに成り下がった。[投票(4)]
★4バッテリー(2007/日)豪少年(山田健太)の屈託のない笑顔、寺の息子(米谷真一)の豊かな表情の変化が忘れられない。トゲを振りたてて青春を歩んできた巧(林遣都)も、彼らには笑顔を許すのも肯ける、きわめて自然な少年の姿がそこにはあった。 [review][投票(4)]
★2サンダカン八番娼館 望郷(1974/日)田中絹代高橋洋子の熱演なくしては、まとまりもなければ何を訴えたいかも散漫にしか伝わらないルポと創作のキメラ作品と堕していたろう。熊井啓という監督は、ことこの作品においては無能と呼んでいいし、原作への侮辱だと断言しても構うまい。伊福部昭の音楽を下品なハッタリ節としてしか使えないのも、作品に対する真摯ならざる作り手の意識を如実に示している。[投票(4)]
★4殺人の追憶(2003/韓国)ある忌まわしい事件。人間である刑事は、結論を急ごうとして、早く旨い酒が呑みたくて事態に早急なピリオドを打たんとする。その結果彼らはその暴力を糾弾され、容疑者からは敵視される。これは韓国一国の物語ではないし、警察機構の腐敗のみを追ったストーリーでもない。我々もまた嫌な思いから逃げようとして、正しいことを進めようとするつもりが唾を吐きかけられる屈辱のみを手にするのだ。[投票(4)]
★3トンマッコルへようこそ(2005/韓国)コメディタッチの明るい作品を期待していた自分には、お伽噺としても重すぎた。トンマッコルはけして永遠のユートピアには成り得なかったのだ。しかしそういう難題を無事解決する方法を模索してこそ、真の反戦ファンタジーだろうと思わずにはいられない。 [review][投票(4)]
★3007/ドクター・ノオ(1962/英)第一作が紆余曲折の結果『007は殺しの番号』に決まるまでに、『Dr.No』を直訳(?)した『007/医者要らず』というタイトルになりかかったことは、公然の秘密であるようです。まあ、タフガイだって言いたいんでしょうが。[投票(4)]
★3ハワイ・マレー沖海戦(1942/日)誤解を恐れずに言うが、「戦争は醜い」などと最初から子供に教え込むのは、順序を間違えている。戦争には美しい面、カッコいい面が確実にあることをまず知らせる。…そして… [review][投票(4)]
★2笑う大天使〈ミカエル〉(2006/日)何だこのヲタク臭い演出は。特撮畑から一般映画界に出てくるモチベーションの真摯さは誉められるものだが、こうもシロウト臭いCGの嵐を少女漫画の読者は喜ぶとでも思っているのだろうか。 [review][投票(4)]
★4帰って来たヨッパライ(1968/日)「何処が『帰って来たヨッパライ』なのか?」低予算赤貧コメディの裏のウラに絶望的な暗喩がある。「天国」とは? [review][投票(4)]
★3誰がために(2005/日)ストーリーの構築能力は良くとも、セリフが生硬に過ぎる脚本が不協和音を奏でている。それをカバーするのが矢野顕子のピアノや川上皓市のカメラの素晴らしさであるわけだが、いかんせん各俳優の演技力の差がはっきりと顔を出してしまっている。 [review][投票(4)]
★2初恋(2006/日)やはり宮崎は、『パコダテ人』『NANA』のような少女らしい「ほんわかさ」の方が魅力的に映る。19歳なりの修羅のごとき佇まいはもう身についているけれど、幼く甘えた声質がそれを台無しにしているし、演技力を問われるような役回りではこれはない。試みとしては面白い作品かと思ったのだが…。 [review][投票(4)]
★2佐賀のがばいばあちゃん(2006/日)演技陣はともかく、脚本・演出はお世辞にも「がばい」とは言えない。 [review][投票(4)]
★2最終兵器彼女(2006/日)わざわざ実写にすることで価値を失ってゆく漫画の映画化…この言葉を何度耳にし、口にしただろう。これもその例外ではない哀しい凡作である。 [review][投票(4)]
★3下町の太陽(1963/日)堅固で隣人との結束の強いコミュニティは、逆に他者に対し好奇心と警戒を崩さない。下町は甘美な匂いの蟻地獄。這い出る決意を固めた者は、他者を足蹴にすることも厭わない。残るも地獄、抜け出すも地獄。倍賞千恵子のアップは憂いに歪み、音楽は不協和音を奏で続ける。とりあえず、題名からノスタルジーを求める人は観ないが吉。[投票(4)]
★3春の雪(2005/日)純愛ブームの真っ只中で、今一番「純愛」で名を売っているふたりを主役に据えて映画化されたことに不安が募る。よもやこの一作だけで『豊饒の海』四部作を終わらせるつもりではあるまいな? [review][投票(4)]
★2恋は五・七・五!(2004/日)こういうお話をけなすと野暮扱いされる、というきわめて微妙な位置に逃げ場を作った作品。だが敢えて言えば、この手の「コンプレックス脱却&優勝」パターンの作品では最も安易な出来。 [review][投票(4)]
★3さよならみどりちゃん(2004/日)含みのありそうな平仮名のタイトルに惹かれた。ゆうこ(星野真里)はヌードも初々しく、不潔感がない。それだけに、こんなダメ男にいつまでも未練を残す彼女が判らなかったが…。 [review][投票(4)]
★3宇宙戦争(2005/米)あえてSF心を捨てることで、スピルバーグは家族を追撃し、その絆を引き裂こうとするトライポッドを敵に定めたパニック映画を創りあげた。彼の映画としては、それは実に誠実な方向だったのだろう。 [review][投票(4)]