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水那岐さんのコメント: 投票数順

★4クローズド・ノート(2007/日)数々のトリックや謎があまりにも浅薄過ぎ、この脚本の害悪は目を覆わんばかりなのだけれど、行定勲演出の洗練されたイメージはそこを補って余りある。そして長尺を気にさせない心地よさは竹内結子の存在感とともに、沢尻エリカの清純な演技を可能とするプロの意地の賜物でもあろう。自分としては彼女を支持する気持ちを変えることがない。[投票(1)]
★3ユキとニナ(2009/仏=日)ノエ・サンピらの子役の天性の演技力に支えられてはいるが、お話作りの能力はいささか脆弱な一本。母親の苦悩があんな言い訳のような出来事で理解されるほど、大人と子供の間に横たわる溝は浅くはあるまい。エンディングの「てぃんさぐぬ花」は諏訪敦彦監督のエキゾチズムを求めるフランス側への擦り寄りが感じられ絶句。概して大人の視聴に耐え得る作品には僅かに遠い。[投票(1)]
★4クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁(2010/日)ギャグ作品の主人公が数十年後、依然として主役を張り、その性格・性質が変わっていないということ。簡単なようでいて意外にこれが難しい。 [review][投票(1)]
★4やさしい嘘と贈り物(2008/米)ただ一つのことを除けば、初恋の様な極めて甘酸っぱいちっぽけな恋。それらの全てに秘密があることに気づかなければ。 [review][投票(1)]
★1牛の鈴音(2008/韓国)およそ物言わぬ存在に仮託された泣かせ話ほど虚しい悲劇はない。そのフィルムがあからさまに作為的なドキュメンタリー作りならば尚更だ(音楽、音響、カット割りなど)。「老人」と「動物」の共棲と別離というモチーフを得、終局を予期して撮り続けたスタッフには、唾棄すべき卑しさしか見い出せない。[投票(1)]
★3NINE(2009/米)ソフィア・ローレン以下過去から現在の綺羅星の如き女優陣が圧巻。特に押しも押されぬ名声を得ながら官能的舞踏も辞さないペネロペ・クルスの女優魂にKOされる。しかしニューシネマ後のミュージカル革命に繋がる陰影を纏いつつも、薄弱な物語性には少々ゲンナリ。「CINEMA ITALIANO」には気圧される迫力を感じるも、全体のナンバーにもそれ並のスペクタクル性が欲しい。フェリーニへのオマージュなら必須。 [review][投票(1)]
★1ハート・ロッカー(2008/米)戦場は人間のエモーショナルな側面がもっとも剥き出しにさせられる場だと言うのに、かくもドラマに富んだステージで、戦争映画マニアしか楽しめない作品を作ってしまう作家性というのは正直恥ずかしい。ストーリーらしきものは二の次のこの話を、爆風に吹き飛ばされるシーンの迫力のみで繋ぐ撮り方は心底下世話としか思えなかった。 [review][投票(1)]
★5恋するベーカリー(2009/米)現在進行形の夫婦に極甘な虚妄を提供しながら、それをハーフビターな結末で締めくくるウェルメイド映画の匠、ナンシー・メイヤーズの精緻な技に唸る。メリル・ストリープも、アレック・ボールドウィンも、みっともなくも何と愛らしいことだろう! [review][投票(1)]
★250歳の恋愛白書(2009/米)アメリカの幼い大人たちによる豪華キャストの享楽恋愛模様。取り合えずこうした無責任桃色遊戯からは自分は距離を置いていたい。若いブレイク・ライヴリーには一過性の冒険でも、老いを前にした男女の慌てふためく様は見苦しいだけである。まあいいや。ウィノナとは汚れたステージでまた逢える。[投票(1)]
★3秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 〜http://鷹の爪.jpは永遠に〜(2009/日)一言の元にしょうもない話、と片付けられる話ながらに、そこに整合性をもたらすべく奮闘したFROGMANには花マルを進呈したいが、スーザン・ボイル山崎貴などの飛び道具を取り除いてしまえば、人情ギャグ活劇としては一過性の凡作と呼ばざるを得ないのは惜しまれるところ。[投票(1)]
★3アンティーク 西洋骨董洋菓子店(2008/韓国)女性そのものの意識でマスターを慕うパティシエと、ツンデレのマスター。その彼を朴訥に見守るボディガードと、パティシエに心酔する体育会系少年。なるほど、女の子好みの「役割」の組み合わせだが、ノンケの自分には多分に場違いな作品には違いないものだった。 [review][投票(1)]
★3おろち(2008/日)木村佳乃の演技は大時代的だが鬼気迫るものがあり、ある意味原作を凌駕しているといってもいい。だが、その迫力を台無しにしているのが谷村美月だ。佳子のような平凡な少女ならともかく、深淵から響いてくるような威厳ある声、何事にも動じない少女離れした存在感がなければ、おろち役は務まらない。彼女は美貌だが、たおやかである必要はないのだ。[投票(1)]
★4幸せのレシピ(2007/米)いかにもハリウッドらしい小品。キャサリン・ゼタ・ジョーンズの不器用なシェフが、仕事にも生活にも気を張りつめているあたりは、普通人として共感できるものだ。アーロン・エッカートのテクニカルな生き方もまた人の個性。アビゲイル・ブレスリンは幼い瞳でそれを見抜いているように思える。気取ったフルコースとしてではなく、パンケーキの気軽さで楽しみたい。[投票(1)]
★3大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE(2009/日)ノンストップ・アクションを特撮でやられるとこれほど疲れる映画になるとは思わなかった。画面の迫力は凄まじいのだけれどいささか食傷気味。良くも悪くもハリウッド的でスターウォーズの如く感情移入を拒絶する。唯一の泣かせがセブンとゼロの絆の描写であり、それはシリーズに於いて最も人間臭いウルトラマンがセブンであったことを物語る。怪獣の演技付けは一考の余地あり。原典尊重は最低限の礼儀だ。[投票(1)]
★3コレラの時代の愛(2007/米)長編を濃縮し、人々に英語で語らせることで、南米文学の熱と香気を漂白し、ここまで単純にしてしまうことが可能なのか。主人公のハビエル・バルデムはここに於いては単なる猟色家と化し、純愛を説く唇は彼の持つ陽根とは完全に異化される。ガルシア・マルケスの世界よりはファンタスティックさは弱められ、世俗性は拍車がかかる。[投票(1)]
★3ガマの油(2009/日)ロリコンオヤジの死生観&人生観、ちょっとノスタルジー風味つき。二階堂ふみ小林聡美が頑張り過ぎなのは、役所広司の気弱なオジサン体質ゆえか。極めて判りやすい筋運びではあるが、冗長な内弁慶の空威張りは現代っ子には通用しないだろう。所詮は彼の世代のユートピア・ファンタジーだ。[投票(1)]
★4噂の女(1954/日)あくまで正義の旗印の下に動く、理想の女久我美子を前に、苦界より脱出せんとするひたむきな願いを胸に男たちに翻弄される母・田中絹代。時代を代表する対照的な二人の女優が、荒波に懸命に抗う姿にこの時代の女の生き様を見る。華族令嬢のお嬢様と、生涯底辺に生きつづけた女のがっぷり四つ。この図式は面白い。 [review][投票(1)]
★2未来を写した子どもたち(2004/米)「幸福」は相対的なものである。どんな素晴らしい状況をお膳立てしても、それがもっと重要なことの前に捨てられる「幸福」なら無用の長物に過ぎない。世界のありようとはそんなものだと、監督たちは知るべきであった。[投票(1)]
★4ホノカアボーイ(2009/日)スローライフ礼讃映画のようにも見えるが、例えば『めがね』のように押し付けがましくないのが魅力。音楽とシンクロする人々の日常は、緩慢でありながらエンターテイメントとして立派に作用している。それは人々の、喜怒哀楽の感情をきちんと踏まえて製作しているためだ。それゆえにファンタジー的側面が上滑りになっていない。[投票(1)]
★3ラーメンガール(2008/米=日)西田敏行のアドリブは入れられるべくして入れられたものだ。彼とブリタニーのあいだには会話の接点がまるでなく、日本語を知らない外国の観客は西田の言動を理解できない。それゆえ、せめて日本人にだけでも彼の自然な心のうちを知らしめたのは正しかった。 [review][投票(1)]