[コメント] 明日は咲こう花咲こう(1965/日)
吉永が最高に輝いている時期を姫田真佐久が上手く切り取っているのはいいのだが、脚本の人間描写の薄っぺらさは如何ともし難い。哀しみの頂点に於いて吉永が浮かべる微笑のような悲哀の表情は雄弁ではあるのだが…。
この原作の書かれた時代を考えればやむを得ないとはいえ、医者が村人を「一片の知性もないケダモノみたいな連中」と評するのはいささか言い過ぎだし、腹を立てる観客も多かったろうと推察もできる。地方人の頑迷さや閉鎖性を描くのもよいが(都会の冷酷さを糾弾する作品が多々見かけられることを考えればきわめて公平だが)、カリカチュアの度が過ぎればシラけるばかりだ。吉永は左派学生のアイドルだからといって、その存在を一個の村という社会と対峙させるのはちと荷が重すぎたのではないだろうか。
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