[コメント] ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方(2004/米=英)
この邦題はずいぶん罪深い。セラーズの人生は必ずしも明るいコメディではないし、この映画を観て、彼を愛するどころかその生き方に引いてしまわない女性は少ない筈だから。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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彼は母親の影響ゆえに芸事に厳しく、反対に実生活では子供のように気紛れで粗暴、おまけにセックスには奔放すぎる。
そんな彼が、「自分の中に人格はない」と自己分析しているのは興味深い。それゆえに、『博士の異常な愛情』では三役をこなし(実際には核爆弾を投下するコング少佐役も演じる予定だったらしい)、なおかつ他作品でもいくつもの人格を取り替える「怪人」であれた訳だから。
これは私見だが、実生活においてマジメ人間であることを公言して憚らない役者なんて、およそ面白くもない演技しかできないのではないか。いや、実生活で鬱屈しているぶん銀幕で鬱憤を晴らしているタイプもいない事はないかな。それはともかく、彼の妻や子供こそいい面の皮ではあるが、彼女らには運が悪かったと諦めてもらうしかない。この映画は、過去のセラーズの作品群を改めて観てみたい、という気持ちにさせてくれただけでも、自分にとっては有難かった。
余談だが、オープニング曲に『何かいいことないか?子猫チャン』を持ってくるセンスには脱帽。『カジノロワイヤル』は版権の問題で使えなかったようで残念。
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