[コメント] 悪い奴ほどよく眠る(1960/日)
事もあろうに、先に本作のパクリ漫画を見てしまった。パクられるのも当然、これほど漫画的な映画も珍しい。しかしさすが黒澤、漫画で現実の残酷さまで描ききってしまった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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読んだのは原哲夫の『中坊林太郎』。上役に自殺を迫られたものの主人公に助けられ、幽霊に扮して復讐に現われる男のくだりはモロパクリであった。
事実、漫画的な登場人物のスーパーマンぶりはやたらと目につき、実世界ではあり得ないような犯罪が平気で行なわれてしまうあたり、いかに娯楽作品とはいえ気になったのだが、心の底までスーパーマンなのはヒーローではない、悪党の方である。近親の情に動かされるようでは「よく眠る」資格はないのだ。荒唐無稽な展開を逆手にとって悪党の怪物性を際立たせたあたりが、凡百のピカレスク映画よりこの映画に深く肯かせられた要因になっていると感じる。
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