[コメント] 天国と地獄(1963/日)
’60年代の横浜にあのような麻薬窟が存在したことの驚き。黒澤は時にこの世の地獄を描いてひどく上手い。だが、勝者と同じように誇り高い敗者も何も語ることはなく、犯人が目に焼き付けてきた地獄の大半は謎のままだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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三船敏郎はいつものように一本気で愚直な男。それが似合うというか、それしか演じられないのか。その三船がラストに至り主役の座を犯人に奪い取られる。ささやかな幸せくらいは奪い返せた三船は平凡なキャラクターに格下げされ、黒澤の嗜好は三船どころではなかった本能的反逆者たる犯人、山崎努に向けられる。登場時に大演説をぶち上げた三船に比して、ラストで犯人から目を伏せる三船の何と小ぢんまりとしていることか。
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