コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛(2006/日)

仏の顔も三度バッグ。殴り心地がいいほどいい点数だ、完成おめでとう!
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







レビューを書き綴る前に、全国のΖガンダムファンに対し俺は頭を下げねばならない。俺は『恋人たち』のレビューで、「次回も何としても映画館に足を運んで自腹で観る」と書いた。

試写会に行ってしまいました〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!

だって前回みたいに、カップルでないと応募できない、なんていう奇天烈な条件はないし、ハゲ監督も声優諸氏もGacktも勢揃いする舞台挨拶もあるわけだし。しかし、その代償としてロードショウ中には2回目は観る。それで許してくれ。

しかしそのお陰で、まだほとんどのファンが観ていない「健やかなカミーユ」とやらを一足早く観ることができたわけだ。

さてだ。この作品、いつにもましてこき下ろし所が多い。キリマンジャロもない。当然フォウは復活しない。「お兄ちゃん」攻撃で我等の心胆を寒からしめるロザミアも出ない。バーザムはロングでしか登場しない。ディジェに至ってはひとコマも登場しない。しかし、それらは大した問題ではない。あるいは自分にとって、あるいは多くのファンにとってそれは不必要なサムシングであるからだ。そして新作カットは、気のせいかもしれないが今までの倍は多い。それも大した問題ではない。そのために新作ラストは充実したからだ。

要するに、ハゲは最後の最後に来て本音を吐いた。いわく、『星の鼓動は愛』。男と女のあいだには、星の数ほどのエロスがある、とまあこんな事が言いたかった訳だな。言い方を変えれば、「泣かせた女の数ばかり、威張ってみたら男の値打ち」、上がっちゃう世界のお話なのです。

大体シロッコやシャアがその猟色家ぶりを誇り、アムロがフラウのコテージでくつろぐ下のテーブルではベルトーチカが幸せなあくびをしてみたところで、主人公たるカミーユには敵わないという事なのだな。シロッコを襲うカミーユの背後霊を見てみなさい。フォウ。縁もゆかりもないロザミア。サラ。お姉さんとして好感を寄せていたエマやレコア。ざっとこれだけの女がカミーユについて来るのだ。そして、そんな女同士の連帯には目もくれずに最後はファを選ぶカミーユ。ラストシーン、ノーマルスーツで睦みあいながら睦言を繰り返し回転するふたりのエロいことといったら!思わずパンツのラインがくっきり浮き出ているかどうか確認しちまったよ。そう、あれがハゲの考える「健やかな」ハッピーエンディングな訳だ。腹が立つより可愛いじゃないか(笑)。

タナトスにこだわり、ハードで萎えまくるアクションアニメを連発する凡百の作家より、エロスに執着し、なまめかしくも可愛いぶっとい映像を一本出してくるハゲの方が数百倍偉く、好感が持てる。小説でしか見られなかったスケベ爺ぶりを映像にも如実に表すようになったこの監督のエンタメ性格に敬礼!なのである。

でもねえ、ヤザンがハンブラビから脱出し、ハマーン姐さんとミネバちゃんが地球圏にそのまま向かった経緯を見るかぎり、劇場版ΖΖガンダムは必ずや現実のものになることを示唆しているようで、それだけは勘弁してくれ、と本気でお願いしたくなる秋元康嫌いの自分なのでありました。どっとはらい。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (8 人)ロープブレーク[*] fedelio[*] Happy 桂木京介[*] リア[*] ペペロンチーノ[*] 新町 華終[*] 甘崎庵[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。