確かに主人公たちを導くのは、少しばかりではない幸運であった。だが最後の勝負に彼女らを立たせたのは、ともに笑いともに泣いた仲間たちとの血のにじむ鍛錬の結果だ。自分がこの作品を愛するのは、「参加することに意義がある」と最初から勝負を投げ打つのではなく、必ず勝つと誓い合い、その結果敗北に叩き落されても笑顔で自分たちのスピリットを誇れたきわめてポジティブであり、そんな自分たちに自らを鍛え上げた少女たちの物語だからである。これは普遍的な人の生き方を問う映画だ、オリンピックが終わってもいささかも色褪せることはない。

加藤ローサは最初はそのバタ臭い風貌からイマイチ馴染めなかったのだが、彼女の喜怒哀楽をストレートに表現する演技は絶品であった。そして、他の少女たちも負けず劣らず輝いていた。こんな映画がたまに出てくるから、学園グループもの邦画は目を離してはいられない。