如何せん泣かせ所のほとんどを回想シーンに頼っているのは、やはり構成ミスといわざるを得まい。アジャ・コングをあれだけのために出すのは理解不能である。

中谷の宮城弁は西田敏行と比較するのは酷かも知れないが、母語として使っている以上もう少し徹底して仕込んで欲しかった。女の子時代の描写にしても、やはりもっと垢抜けない描写でもバチは当たらないだろう。

原作は未読だが、「泣かせる4コマ」の意味を取り違えているような描写が鼻に付いた。かといって笑わせポイントもＣＧに頼りすぎであり、ちょっと興を殺がれた。トラジディとしてのツボはついているのだから、ラストまで観て家路を辿る頃にもう余韻が糸を引いていないようでは、どうであれ失敗作の名で呼ぶしかないだろう。