[コメント] ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢(2008/米)
やはり現実は虚構より面白い、とばかりは必ずしもいえないが、より我々の心情に訴えかけてくるのは確かだ。実は『コーラスライン』は好きなミュージカルではないにしろ、その僅かに19名の役に挑む3千人の身の程知らずたちの奮戦には、胸を突き動かされる思いがする。
それにしても、邦題の俗悪さは何とかならないのだろうか。『全てのちっぽけな歩み』とでも名づけられない日本配給会社は確実に幼児退行している。
それはさておき、かつてこの劇の或る役を演じた俳優達が、後輩にその役割を譲り渡すときに露わにする愛情は、やはり尋常のものではない。それでも、その役を全く新しい解釈で演じて見せた若き後継者達には、大きなエールを持って祝福する。そうして受け継がれてゆく役は、演目を古びさせないために大きく役立っているのが見て取れる。
演技とは、こうした過程を経て名作と呼ぶに相応しい作品を形作ってゆくものだ。それすなわち、「魂の受け渡し」であるといっても誇張には当たるまい。
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