[コメント] ミルク(2008/米)
志は高い作品であることは認める。だが、主人公の半生のフィルムへの移殖はパッとしない凡庸さの発露をしか生み出さなかった。バストアップばかりの画面に生命を吹き込むためには、それに倍する感動的な言葉を持って補完するしかないと俺は感じる。
自分はゲイについて基本的には嫌悪感を抱くものではないし、真面目なゲイならば友人となるにもやぶさかではない。だが、始終ネチネチと主人公に纏わりつくゲイ青年にははっきりと嫌悪の感情を持った。あれでは主人公は仕事すらできまい。もっとも、ミルク自体が夜の地下道で少年をナンパするような男であったから、悪印象は最初からであったのだが。
自分はプライベートな場所と外の世界とをきちんと弁えるならともかく、往来でディープキスを堂々とするような輩には嫌悪感しか抱かない。文化は違えど、色情狂としか見えない彼らの睦みあいはやはり気持ちが悪いのだ。それに「無垢さ」をかつて『アイアム・サム』で売り物にしたショーン・ペンが関わるのだから、不気味さは拭い去れない。
やはり、巧い役者とは言えペンの起用は間違いだったのではないか?偉人が変質者に見えては本末転倒であり、自分はそこをとても惜しむのである。
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