コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] NINE(2009/米)

ソフィア・ローレン以下過去から現在の綺羅星の如き女優陣が圧巻。特に押しも押されぬ名声を得ながら官能的舞踏も辞さないペネロペ・クルスの女優魂にKOされる。しかしニューシネマ後のミュージカル革命に繋がる陰影を纏いつつも、薄弱な物語性には少々ゲンナリ。「CINEMA ITALIANO」には気圧される迫力を感じるも、全体のナンバーにもそれ並のスペクタクル性が欲しい。フェリーニへのオマージュなら必須。
水那岐

8・2/1』はもう少年時代の闇に忘れ去って久しいのだけれど、ミュージカルだからといってそれより内容希薄であってよかろう筈はない。このままではダニエル・デイ・ルイスが顔に刻まれたほどの皺すらも脳に刻み込まれていないように見えてしまう。ちょっと彼はただの女たらしにしか見えなかった。

まあそのあたりを突っ込んでも、ロクな答えは返ってこまいからミュージカルとして観れば、正直曲として聴かせる歌はファーギー「BE ITALIAN」くらいしかない。そこを演技派で固めた女優陣で聴かせた最良の結果が、ケイト・ハドソンのナンバーだったわけだ。しかしミュージカルとしての高揚感がないのは、ロブ・マーシャルが「そこそこしか歌えない・踊れない女優」をキャスティングしてしまったための、窮余の一策としてのぶつ切りフィルムの再構成という構成であったからで、当然ながらこれは戴けなかった。そろそろ歌えない・踊れないスターによるせせこましいミュージカルは止めにしないか。主役を張るルイスのみっともない中年ぶりといったらなかったのだから、ここはやはり女優にもっと頑張ってほしい。女優として、というよりはミュージカル女優としてなのは言うまでもない。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)カルヤ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。