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[コメント] 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟(2014/日)

もちろんバトルシーンは満載なのだが、同じ対ガトランティスの『さらばヤマト』と根本的に違うのは陰惨な臭いが払拭され、かわりにこのシリーズらしい冒険描写がここぞとばかりに投入されているということだ。たったこれだけの話と言われればそれまでなのだが、群像劇である『2199』の面目躍如といえるほどに、その長所はしっかりと作りこまれている。自分としては支持したい切り口だ。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







忘れてならないのは、ガトランティスの扱いの変化だ。旧作ではアメリカのイメージということだったのだが、ここではローマ帝国のイメージを付加されたガミラスにならうように、一種モンゴル帝国の香りを漂わせている。この描き直しは秀逸だろう。『ヤマト復活編』において石原慎太郎はアメリカやEC、アラブ世界のなぞりを宇宙に展開させたが、じつに生臭く嫌悪感が先に立ったのを覚えている。このガトランティスは漫画的なほどに蛮族なのだが、そこにロマンはたっぷりと薫る。まさしく正解だ。

ただ、ひとつ減点ポイント。「異星人にそっくりな女」ネタは森雪だけにとどめてほしかった。あれはワンパターンな女しか描けない松本零士への皮肉ともいえるネタだったので…。画力において松本を凌駕し、なお伸びてあまりある結城信輝に描かせるべきイベントではないだろう。

(評価:★4)

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