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[コメント] 劇場版マクロスΔ(デルタ) 激情のワルキューレ(2018/日)

美術・音楽の異才の存在もあって歌唱シーンが超絶的だった『マクロスF』二部作の後であり、作画も音楽も凡庸にしか見えないのは必然か。またシリーズの「歌と飛行機と三角関係」の三題噺の呪縛により、物語もちんまりと纏まり過ぎた観あり。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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シリーズも意外な展開が望まれぬこともあり、もう観客もバッドエンドに怯えない大いなる安心感に包まれていそうに見えた。ここまで来ては外観すら把握しようとする者もなく、バルキリーとワルキューレのみの閉鎖空間内の人形芝居たる様相を呈している。さすがにもうこれ以上エピソードは作られないだろう。「プロトカルチャー」の先駆者という身内が物語上の重要人物になってはこれ以上の筋書きは用意できまい(『北斗の拳』を見よ)。潮時であると見ていいだろう。

蛇足。絵的な盛り上がりももはやここにはなかった。ワルキューレのメンバーは髪型とヘアカラーが違うだけのそっくりな顔の美少女たちだったことにはちょっと肩の落ちる音が聞こえた。アイドルアニメの世界だ。…いや、『プリキュア』なんだろう。『マクロスF』のデザインは好みの画風ではないが、ふたりのヒロインの書き分けは確実に行われていたことは見逃してはならないだろう。美形とモブしか存在しないアニメ番組はただの萌えアニメだ。ここまで堕ちてしまったのは正直哀しくはあった。

(評価:★2)

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