[コメント] ロックよ、静かに流れよ(1988/日)
言い辛いけれど、これは『ギザギザハートの子守歌』に代表される「古典的な十代物語」のアナクロさから一歩も出ていない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「つっぱり」という言葉を、この時代にしてマスコミ用語、教育界用語として使い、それに属し、ロックを演奏しているから教師から危険分子だと迫害されるのは、いささか時代錯誤的な反応のように思える。俺の高校ではこの映画の4,5年前にクラスメイトが教室内でロックをシャウトしていた。何だか、エレキ=不良だったロカビリー時代みたいで、少々恥ずかしい。
それにしても、予定調和的悲劇とはいえ、「仲間がバイクで死ん」でしまう唐突なアクシデントを何故用意せねばならなかったのだろう。それをステップにし、仲間が結束を固めてプロデビューへの第一歩を踏み出すならともかく、三人で演奏中に「青春あばよと泣い」てしまうのでは白けるばかりだ。ラストも死んだ仲間のバースデイ・ケーキの蝋燭を一本ずつ吹き消してゆくジメジメさ加減。「つっぱり」の青春の苦みを描きたいのかと思っていたのだが、これじゃ甘口にも程がある。思わず、原作者は女性だから…と性差別的なことを口走りたくなってしまった。
絶賛されている諸先輩には申し訳ないけれど、これでは凡庸なアイドル映画そのものじゃないか、としか思えない。
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