[コメント] 明日に向って撃て!(1969/米)
泳げないガンマンと人を撃ったことのないガンマン。英雄なき時代の何ともしまりのないヒーロー。だが、限りなく愛すべき男どもだった。ニューマンの笑顔は子供のように屈託がなかったし、レッドフォードのすねた顔は男から見ても微笑ましくなる顔だったのだ。
かくも愛らしき男どもなのに、西部劇のアウトローどもの寿命は短い。すでにロートルになってしまった彼らの悲哀を、バカラックのメインタイトルは静かに見送っているように思える。すでに始まりが夕暮れのセピア一色の画面なのは非常にシンボリックだ。
自転車は未来の象徴か。オレの大好きな「雨にぬれても」にのって、ニューマンがキャサリン・ロスと自転車で戯れるシーンは涙が出る。だが、素顔のポール・ニューマンならぬブッチ・キャシディはそれを捨てざるを得なかった。地獄への坂をゆっくりと転げ落ちていくふたりの強盗に、それは必要のない未来だったのだから。
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