[コメント] 座頭市物語(1962/日)
第一作のこともあってか、座頭市が盲目であることがさんざ笑いのタネにされるが、それに対し盲人の意地を見せつける市が小気味良い。そして彼が、人の善悪の匂いを不思議と嗅ぎつける男であることにも惹かれる。
ここでの市はのちのスーパーマン・座頭市ではなく、人情に篤くプライドの高い一個の人間として描かれている。
画面上ではまだ殺陣の凄まじさは開花していないが、斬られたチンピラがまだ蠢いたまま戸板に乗せられて運ばれてゆくなど、リアリティも充分であった。
好きなシーンは、孕ませた女を堕胎させ、投身自殺へと追い込んだチンピラを市が斬り捨て、チンピラが水の中に沈んでいくところを聞きつけた市が、「まあ、大した野郎じゃあるめえ」と見殺しにするシーン。この優しさの裏返しの残酷さにも快哉を叫びたくなる。
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