まあ、例によって飛んでしまう潜水艦アルファ号とか、金とプラチナでできた強化服のどこが強いんだとか、ツッコミ所は随所にあるのですが、それらを凌ぐ不条理な運命に苛まれるのが、黒木ひかること「黒い蛾」なのであります。

黒鮫号指揮官としてアルファ号の宿敵となって執拗に立ちふさがるのかと思いきや、妻の尻に敷かれたマリク博士への慕情も虚しく、一度や二度の失敗で不細工なハゲタカライオン、「グリフォン」に脳移植されてしまうのであります。

しかしライオンといい、コウモリ男といい、ネズミといい着ぐるみに適したデザインでもなければ、着ぐるみ役者も可哀想なくらい動物演技が下手なんですが…。

それはさておき、バカマリクは脳移植された女が嫉妬と絶望でヤケクソ状態に陥るだろう結果を見抜けなかったのでありましょうか。自分を捨てて愛妻のもとに走った優柔不断男への怨念と、けして彼を与えてはくれない白人女への怒りに狂った彼女は、わざわざ巨大化させられ、船を沈める能力を与えられたならばマリクの乗艦を狙うに決まってるじゃありませんか。嗚呼、愚かなる男の名はマリク。三角関係で身を滅ぼしたのは、エロ男たるあんたの責任でしかないのですよ。

ということで、誰か「黒い蛾」に線香の一本でも捧げてやってください。